シリアで日本人が拉致(続報、2014年8月19日)

アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)に拘束されたとされる日本人男性に関して、『ハヤート』(8月19日付)は、ツイッター上の情報などをもとに、この人物がイスラーム教に改宗し、「アブー・ムジャーヒド」を名乗り、イスラーム戦線のもとでカメラマンとして活動していたと報じた。

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『読売新聞』(8月18日付夕刊)、NHK(8月18日付)などは、「自由シリア軍」関係者(28歳)の話として、この男性が、イスラーム戦線の拠点であるアレッポ県マーリア市でダーイシュ(イスラーム国)に拘束されたとの情報があると伝えた。

また「自由シリア軍」に同行していたとされるこの男性が、マーリア市を拠点とするイスラーム戦線と行動をともにしていたとの情報も出ていると付言した。

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さらに『読売新聞』(8月19日付朝刊)は、この男性と行動をともにしていたイスラーム戦線メンバーの話として、同男性の足取りについて詳しく報じた。

それによると、この男性は、約2ヶ月前に「シリア内戦の記事を書きたい」とこのメンバーを訪れ、6~7人の他のメンバーとともに行動、7月28日にトルコの検問所を経由し、シリアに不法入国した。

この男性は、戦場や破壊された町の様子を撮影するなどしていたという。

その後、アフタリーン市、マーリア市、アアザーズ市一帯にダーイシュ(イスラーム国)が進軍し、イスラーム戦線との戦闘が激化したため、このメンバーは男性に避難するよう促したが、男性は同行を希望したという。

8月14日午後3時頃、マーリア市西部のハウラ・ナフル村で、男性は写真を撮ろうと車を降りたが、同村から約2キロ離れたアルシャーフ村で、ダーイシュ戦闘員に包囲、拘束されたという。

ダーイシュは13日にアフタリーン市などを、14日にはアルシャーフ村、ダービク村一帯を制圧(無血入城)していた(http://syriaarabspring.info/wp/?p=11952)。

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一方、NHK(8月19日付)は、この男性が、トルコのキリス市の国境通行所から(バーブ・サラーマ国境通行所)に入国したと報じた。

AFP, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、NHK, August 18, 2014、August 19, 2014、読売新聞2014年8月18日、19日などをもとに作成。

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