ダーイシュ(イスラーム国)が首都ダマスカス近郊で勢力増大か?(2015年2月27日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)が、イスラーム戦線東グータ作戦司令官のサフヤーン・ハマウィー司令官の話として、「東グータ地方外で自由シリア軍の哨所複数カ所」がダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け、「イスラーム軍戦闘員8人を含む自由シリア軍メンバー11人が捕捉された」と伝えた。

一方、東カラムーン・シャリーア委員会は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)が潜伏しているとされるバトラー地区、ジャバル地区への民間人の通行を禁止すると発表した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、同県におけるダーイシュ(イスラーム国)の最重要拠点の一つタッル・ハミース市に西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が突入し、ダーイシュと交戦、同市東部および南東部一帯を制圧した。

一方、SANA(2月27日付)によると、カーミシュリー市南部のファルファラ村、タッル・アフマド村、ヒルバト・ヌーラー村、トゥファイヒーヤ村、ハズナ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・アブヤド市一帯で、クルド人5人を含む9人を、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に近い武装集団、ないしはシリア政府のスリーパー・セルに所属していた理由で処刑した。

ダーイシュはまた、ラッカ市北西部のジャズラ交差点地区で、男性一人の手のひらを「バイクを盗んだ」罪で切断した。

**

ヒムス県では、SANA(2月27日付)によると、アーラーク・ガス備蓄所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、イッティハード・プレス(2月27日付)によると、マヤーディーン市内の商店主らが、ダーイシュ(イスラーム国)による商店の移転要請に抗議し、ゼネストを行った。

**

有志連合合同司令部によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回空爆を行った。

うち5回はハサカ県内、アレッポ県アイン・アラブ市一帯などに対して行われたという。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、al-Ittihad Press, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.