ダーイシュ(イスラーム国)がヤルムーク・パレスチナ難民キャンプから撤退し、ヌスラ戦線が同地最大の勢力に(2015年4月15日)

ARA News(4月15日付)は、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの複数の地元消息筋の話として、キャンプ内のパレスチナ通り一帯でダーイシュ(イスラーム国)とアクナーフ・バイト・マクディス大隊などが戦闘を続けるなか、ダーイシュがキャンプ内の拠点複数カ所からダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市方面に撤退したと伝えた。

この撤退により、シャームの民のヌスラ戦線が、キャンプ内を占拠する最大勢力になったという。

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ハサカ県では、ARA News(4月15日付)によると、シリア軍のヘリコプターがダーイシュ(イスラーム国)の拠点の一つシャッダーディー市を空爆した。

空爆は同市の入り口一帯、市内西部の国立病院などに対して行われたという。

クッルナー・シュラカー(4月16日付)によると、この空爆で、20人が死亡した。

 

これに関して、SANA(4月15日付)は、シリア軍がシャッダーディー市の「過激派」(ダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対して正確な攻撃を実施し、戦闘員数十人を殺傷したと伝えた。

シリア軍はまた、同市東部にあるダーイシュの教練キャンプ(キャンプ・ブルガール)を攻撃、破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(4月15日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアイン・アラブ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ハーン・ムハンマド村、ハッラーブ・カルキール村、サーキー村、カラク村を制圧した。

一方、SANA(4月15日付)によると、サフィーラ市郊外のサイヤーラ村、フワイル・フッス村、ジュブ・ジャースィム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ARA News(4月15日付)は、イラクのモスル市の地元消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がイラク領内で最近になって結成された精鋭部隊「カリフの兵」の戦闘員数百人の迫撃砲、車輌などをシリアのハサカ県方面に撤退(再展開)させた、と伝えた。

撤退(再展開)の理由は不明だという。

AFP, April 15, 2015、AP, April 15, 2015、ARA News, April 15, 2015、Champress, April 15, 2015、al-Hayat, April 16, 2015、Iraqi News, April 15, 2015、Kull-na Shuraka’, April 15, 2015、April 16, 2015、al-Mada Press, April 15, 2015、Naharnet, April 15, 2015、NNA, April 15, 2015、Reuters, April 15, 2015、SANA, April 15, 2015、UPI, April 15, 2015などをもとに作成。

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