シリア軍によるイドリブ県、アレッポ県などへの爆撃は「樽爆弾による無差別爆撃」か「正確かつ集中的な爆撃」か?(2015年5月31日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯、バルユーン村、ジューズィフ村、アブー・ズフール航空基地周辺、サラーキブ市、ジスル・シュグール市郊外をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、女性、子供を含む19人が死亡した。

またアブー・ズフール航空基地一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ムサイビーン村一帯、アリーハー市一帯、ハッルーズ一帯、クマイナース村、カフルラーター村、マアッルバリート村、マストゥーマ村、アイン・スーダ村、ナリラヤー村、バシーリーヤ村、カルア・ガザール村、マジャース村南部、アブー・ズフール航空基地周辺、ナリラヤー村・カフルナジュド村回廊、ムウタリム村、ファンナール村、サラーキブ市周辺、ハリージャーン村、イブリーン村のシャームの民のヌスラ戦線の拠点などに対して、シリア軍が「正確且つ集中的な空爆」を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市ファルドゥース地区、シャッアール地区をシリア軍が空爆し、子供2人と女性1人を含む6人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団もシリア政府支配下のアレッポ市各所を砲撃し、SANA(5月31日付)によると、アアザミーヤ地区で8人が死亡、またシリア人権監視団によると、県庁周辺の各所で4人が死亡した。

一方、SANA(5月31日付)によると、アレッポ市ザフラー協会地区、サーリヒーン地区、サラーフッディーン地区、ハナーヌー地区、フィルドゥース地区、バーブ・ナスル地区、シャッアール地区、マアーディー地区、シャイフ・ルトフィー村、マーリア市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村、ハーン・シャイフーン・キャンプ一帯、ダーライヤー市、カラムーン地方無人地帯を「樽爆弾」で空爆した。

シリア軍はまた、ハジャル・アスワド市を「樽爆弾」で空爆し、4人が死亡した

さらにフライタ村郊外無人地帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またバーラー村一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、アナトリア通信(5月31日付)は、ダマスカス郊外県やダマスカス県ジャウバル区を中心に活動するラフマーン軍団が軍事教練プログラムを実施、500人の戦闘員が教練を修了したと伝えた。

他方、SANA(5月31日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、アーリヤ農場で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガントゥー市を「樽爆弾」で空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサイダー町、アルマー町、ハッラーブ・シャフム村、ヤードゥーダ村、ジーザ町・マターイヤ村間の街道を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ダルアー市カラク地区、バジャービジャ地区など、ナイーマ、アトマーン村、マハッジャ町、タッル・クライン東部、フラークで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県内各所をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ハミーディーヤ村、西サムダーニーヤ村、ラスム・シャワーリー村、ナブア・サフル村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・アフマル村一帯でシリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦した。

AFP, May 31, 2015、Anadolu Ajansı, May 31, 2015、AP, May 31, 2015、ARA News, May 31, 2015、Champress, May 31, 2015、al-Hayat, June 31, 2015、Iraqi News, May 31, 2015、Kull-na Shuraka’, May 31, 2015、al-Mada Press, May 31, 2015、Naharnet, May 31, 2015、NNA, May 31, 2015、Reuters, May 31, 2015、SANA, May 31, 2015、UPI, May 31, 2015などをもとに作成。

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