ロシアのプーチン大統領はトルコに「世界にとって脅威となるような感情的、ヒステリックな対応はとらない」としつつも、追加制裁を意思表明(2015年12月3日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はモスクワの大統領府(クレムリン)で年次教書演説を行い、ダーイシュ(イスラーム国)壊滅に向けて、欧米諸国、中東諸国がロシアとともに大連合を結成すべきだと呼びかけた。

また、トルコによるロシア軍戦闘機撃墜事件について、プーチン大統領は、「我々はトルコ指導部の裏切りとテロ支援を決して忘れない」と批判しつつも、トルコに対して「我々、そして世界にとって脅威となるような感情的、ヒステリックな対応」はとらないと述べ、軍事的な報復を否定した。

しかし「我々は武力を行使はしないが、トマトだけで満足はしない」と付言し、追加制裁を科す意思を示した。

**

アレクサンドル・ノワク・エネルギー大臣は、トルコ経由で欧州に天然ガスを輸出する計画をめぐって、パイプライン建設に向けたトルコとの協議を停止した、と発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、全欧州安全保障協力機構外相級会合に出席するために訪問中のセルビアの首都ベルグラードで、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談した。

ロシアとトルコの閣僚が会談するのは、24日のトルコによるロシア軍戦闘機撃墜事件以降これが初めて。

会談はトルコ側の申し出を受けて行われ、双方の主張は平行線を辿った。

AFP, December 3, 2015、AP, December 3, 2015、ARA News, December 3, 2015、Champress, December 3, 2015、al-Hayat, December 4, 2015、Iraqi News, December 3, 2015、Kull-na Shuraka’, December 3, 2015、al-Mada Press, December 3, 2015、Naharnet, December 3, 2015、NNA, December 3, 2015、Reuters, December 3, 2015、SANA, December 3, 2015、UPI, December 3, 2015などをもとに作成。