サウジアラビアの後援を受けるイスラーム軍は、リヤドでのシリア反体制派合同会合での決定の破棄を示唆(2015年12月16日)

イスラーム軍は声明を出し、リヤドでの反体制派の合同会合(8~10日)からの脱会とその成果の拒否を検討していると発表した。

サウジアラビアの後援を受ける同組織の司令評議会はツイッターで、撤退の理由に関して、「シリアのイスラーム・アラブ的アイデンティティの明言、治安機関の完全解体など、イスラーム軍の代表が表明した諸原則を(合同会合の)が閉幕声明しないままに採択された」ためだとしている。

なお、サウジアラビアの首都リヤドでの反体制派合同会合(8~10日)で新設されたシリア政府との交渉にあたる反体制派統一代表団の人選を行うための最高交渉委員会(34人)がリヤドで初の会合を17~18日の2日間の日程で開催され、イスラーム軍やアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の代表11人も参加を予定している。

『ハヤート』(12月17日付)が入手した声明案には、アサド大統領と今後いかなる調整も拒否することや、全権を有する移行期統治機関の詳細な内容が盛り込まれており、これが採択されれば、10日の合同会合で採択された声明における基本方針が大幅に修正されることになるという。

また民主的変革諸勢力国民調整委員会の幹部のアフマド・アルサーウィー氏が『ハヤート』に語ったところによると、最高交渉委員会会合では、シリア政府との交渉にあたる統一代表団の人選が行われる予定で、15人から構成される予定の代表団のうちの4人は武装集団から選ばれるという。

このほか、最高交渉委員会会合では、委員会の組織編成、委員長、報道官などの選出が予定されており、委員長候補としてはリヤード・ヒジャーブ元首相、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)の名前が挙がっているという。

AFP, December 16, 2015、AP, December 16, 2015、ARA News, December 16, 2015、Champress, December 16, 2015、al-Hayat, December 17, 2015、Iraqi News, December 16, 2015、Kull-na Shuraka’, December 16, 2015、al-Mada Press, December 16, 2015、Naharnet, December 16, 2015、NNA, December 16, 2015、Reuters, December 16, 2015、SANA, December 16, 2015、UPI, December 16, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.