ジュネーブ3会議のシリア反体制派代表団の人選をめぐって、ロシアが米国に新提案(2016年1月14日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はバラク・オバマ米大統領と電話会談を行い、シリア情勢、とりわけ1月25日開催予定のジュネーブ3会議への対応などについて意見を交わした。

ロシア大統領府によると、電話会談において両国首脳は、国連主催でシリア政府と反体制派の交渉を行うことが重要だということを改めて確認する一方、プーチン大統領は、ISSG(国際シリア支援グループ)が「テロ組織の統一リストを準備し、ダブルスタンダードを拒否することが必要だ」と強調したという。

またプーチン大統領は、ジュネーブ3会議をめぐって「選定条件」を提示することを拒否したという。

一方、『ハヤート』(1月15日付)は、14日にスイスのジュネーブで開かれたスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表、米・ロシア高官の会談、およびその後のデミストゥラ氏と国連安保理常任理事国大使との会談で、ロシアが、反体制派の統一代表団の人選をめぐって米国側に対して、リヤド最高交渉委員会(リヤード・ヒジャーブ元首相が委員長)が提示した候補者リストに、ロシア側がすでに開示しているリストに記載されている候補者を加えるか、リヤド最高交渉委員会のリストとロシアのリストに基づく二つの反体制派代表団を作り、シリア政府との交渉に当たらせるかのいずれかを選択するよう求めたと伝えた。

ロシアが開示したリストのなかで、リヤド最高交渉委員会のリストに含まれていないのは、民主統一党のサーリフ・ムスリム代表、同党欧州地区代表のハーリド・イーサー氏、シリア民主評議会のハイサム・マンナーア共同議長、アースィヤー・ウスマーン女史、マージド・ハッブー氏、変革解放人民戦線議長のカドリー・ジャミール前首相、マーズィン・ガリーバ氏、シリア民主フォーラムのサミール・アイタ代表、サリーム・ハイルビーク氏、アミーナ・ウースー氏、リーム・トゥルクマーニー氏、アッバース・ハビーブ氏、ランダ・カスィース氏、ナムルード・スライマーン氏、ファーティフ・ジャームースの15人。

AFP, January 14, 2016、AP, January 14, 2016、ARA News, January 14, 2016、Champress, January 14, 2016、al-Hayat, January 15, 2016、Iraqi News, January 14, 2016、Kull-na Shuraka’, January 14, 2016、al-Mada Press, January 14, 2016、Naharnet, January 14, 2016、NNA, January 14, 2016、Reuters, January 14, 2016、SANA, January 14, 2016、UPI, January 14, 2016などをもとに作成。

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