ロシア国防省は7件の停戦違反が発生したと発表する一方、シリア人権ネットワークは29件と主張(2016年2月29日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、2月28日の1日間で7件の停戦違反を確認したと発表した。

この停戦違反のなかには、アレッポ県アレッポ市アシュラフィーヤ地区でのアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線による西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊への敵対行為も含まれているという。

また7件の停戦違反のほかには、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県ハナースィル市・ラスム・ナフル村街道一帯で攻撃を続け、アレッポ市などへの人道支援物資の搬入が妨害されるという事例が発生したという。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

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シリア人権ネットワークは、2月28日の1日間での停戦違反が29件にのぼったと主張した。

このうちの27件がシリア軍とロシア軍による違反で、ロシア軍の空爆による停戦違反は8件を記録したという。

AFP, February 29, 2016、AP, February 29, 2016、ARA News, February 29, 2016、Champress, February 29, 2016、al-Hayat, March 1, 2016、Iraqi News, February 29, 2016、Kull-na Shuraka’, February 29, 2016、al-Mada Press, February 29, 2016、Naharnet, February 29, 2016、NNA, February 29, 2016、Reuters, February 29, 2016、SANA, February 29, 2016、UPI, February 29, 2016などをもとに作成。

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