アレッポ市で「反体制派」がシリア政府支配地域を、シリア軍が「反体制派」支配地域を砲撃(2016年4月25日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団などからなる反体制派がアレッポ市スライマーニーヤ地区(シリア政府支配地域)を砲撃し、子供2人を含む3人が死亡、11人が負傷した。

ジハード主義武装集団は、アレッポ市ムーカンンブー地区、ハムダーニーヤ地区、ザフラー協会地区、ジュマイリーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ヌッブル市、ザフラー町に対しても砲撃を行い、子供を含む多数の住民らが負傷した。

またアレッポ市サブア・バフラート地区一帯、ブスターン・カスル地区では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が撃った砲弾がマイサル地区、バーブ街道地区、ブスターン・カスル地区、カルム・タッラーブ地区に着弾した。

シリア軍はまたアナダーン市を砲撃し、女児1人が死亡、10人以上が負傷した。

一方、SANA(4月25日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市スライマーニーヤ地区、イザーア地区、バーブ・ハラジュ地区、ザフラー協会地区、ザフラー町を砲撃し、女性、子供を含む16人が死亡、86人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃、バーラー村一帯ではジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ダマスカス県カーブーン区とティシュリーン地区で活動するという第一旅団は声明を出し、マルジュ・スルターン村一帯でアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と共闘するラフマーン軍団への合流を表明した。

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ヒムス県では、ARA News(4月25日付)によると、国連とシリア赤新月社のチームが2度目となるラスタン市への人道支援物資搬入を行った。

しかし、物資搬送はティールマアッラ村を経由して行われたが、途中、シリア軍が車列を攻撃、貨物車輌1台が被害を受けた。

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ダルアー県では、SANA(4月25日付)によると、反体制武装集団がダルアー市各所を砲撃し、1人が負傷した。

また、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月24日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で4件、ラタキア県で4件、アレッポ県で1件発生、いずれもがリヤド最高交渉委員会を脱会したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などによる砲撃だという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は444件。

AFP, April 25, 2016、AP, April 25, 2016、ARA News, April 25, 2016、Champress, April 25, 2016、al-Hayat, April 26, 2016、Iraqi News, April 25, 2016、Kull-na Shuraka’, April 25, 2016、April 26, 2016、al-Mada Press, April 25, 2016、Naharnet, April 25, 2016、NNA, April 25, 2016、Reuters, April 25, 2016、SANA, April 25, 2016、UPI, April 25, 2016などをもとに作成。

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