イスラエル軍に続き、ヨルダン軍もダルアー県のダーイシュ系組織の拠点を越境攻撃(2016年6月25日)

『ハヤート』(6月26日付)は、複数の活動家の話として、ヨルダン軍がシリア領内の国境地帯にあるダーイシュ(イスラーム国)系組織の拠点複数カ所に対して越境砲撃を行ったと伝えた。

人権活動家のウマル・ハリーリー氏によると、ヨルダン軍が砲撃を行ったのは、ダルアー県西部のイスラエル国境に近いヤルムーク川流域のワーディー・クーヤーで、同地はダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍所属のヤルムーク殉教者旅団の支配地域だという。

ハリーリー氏によると、ヨルダン軍による同地への越境攻撃はこれが初めてではなく、ヨルダン軍国境警備隊はヤルムーク殉教者旅団とこれまでにもたびたび散発的な戦闘を行ってきたという。

この空爆でダーイシュ戦闘員7人が死亡、複数人が負傷したという。

ヒズブッラーの広報部門によると、ヨルダン軍の越境砲撃は、同地でハーリド・ブン・ワリード軍とシャームの民のヌスラ戦線の交戦中に行われたという。

なお、ヨルダン軍の越境攻撃に先立ち、19日にはイスラエル軍が同地に越境攻撃を行い、ワリード・ブン・ワリード軍が保有する旧ソ連製の自走式地対空ミサイル・システム「2K12」(SA-6)を破壊している。


AFP, June 25, 2016、AP, June 25, 2016、ARA News, June 25, 2016、Champress, June 25, 2016、al-Hayat, June 26, 2016、Iraqi News, June 25, 2016、Kull-na Shuraka’, June 25, 2016、al-Mada Press, June 25, 2016、Naharnet, June 25, 2016、NNA, June 25, 2016、Reuters, June 25, 2016、SANA, June 25, 2016、UPI, June 25, 2016などをもとに作成。

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