ダーイシュはブーカマール市近郊のハムダーン村から米英の軍事支援を受ける新シリア軍を掃討、同地一帯を奪還(2016年6月29日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(6月29日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がブーカマール市近郊のハムダーン村およびハマダーン航空基地に展開していた新シリア軍を掃討し、同地を奪還した。

ハムダーン村一帯は27日に新シリア軍によって制圧されていた。

この戦闘で新シリア軍戦闘員40人が死亡、15人が捕捉され、部隊かブーカマール市一帯から完全撤退したという。

なお、シリア人権監視団によると、ダーイシュによるハマダーン航空基地奪還に際して、真シリア軍との交戦はなく、また有志連合による空爆支援もなかったという。

新シリア軍のマザーヒム・サッルーム報道官はAFP(6月29日付)に対して、「新シリア軍がブーカマール市一帯でのダーイシュ拠点に対する作戦の第1段階を終え、同市郊外の砂漠地帯に撤退した。我々は第2段階の準備をしている」と述べた。

また、ARA News(6月29日付)によると、ダーイシュは、ブーカマール市で新シリア軍に内通していた男性4人を処刑したと発表した(シリア人権監視団によると、処刑されたのは5人)。

一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がサルダ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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アレッポ県では、ARA News(6月29日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県南部のハナースィル市近郊のシリア軍拠点を攻撃し、ハマーム丘を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が籠城を続けるマンビジュ市一帯では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が同市北部一帯でダーイシュと交戦、また有志連合の支援を受け、同市東部のヤースィティー地区に進軍した。

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ヒムス県では、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がタドムル市南方、マハッサ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ラッカ県では、SANA(6月29日付)によると、タッル・アブヤド市の教員組合前で爆弾が市かけられた車が爆発し、7人が死亡、25人が負傷した(シリア人権監視団によると、死亡したのは民間人8人と西クルディスタン移行期民政局所属の守衛2人の合わせて10人)。

AFP, June 29, 2016、AP, June 29, 2016、ARA News, June 29, 2016、Champress, June 29, 2016、al-Hayat, June 30, 2016、Iraqi News, June 29, 2016、Kull-na Shuraka’, June 29, 2016、al-Mada Press, June 29, 2016、Naharnet, June 29, 2016、NNA, June 29, 2016、Reuters, June 29, 2016、SANA, June 29, 2016、UPI, June 29, 2016などをもとに作成。

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