アレッポ市一帯でシリア軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室の交戦続く(2016年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がフライターン市、アナダーン市を15回以上にわたり空爆する一方、シリア軍がフライターン市、カフルハムラ村、アルド・マッラーフ地区、アレッポ市北部とトルコのガジアンテップ市を結ぶ街道一帯を砲撃し、アルド・マッラール地区などでジハード主義部集団と交戦、アルド・マッラーフ地区一帯での戦闘では、反体制武装集団39人、シリア軍側兵士30人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、アレッポ市北部のバニー・ザイド地区にシリア軍が突入を試み、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室と交戦した。

これに対して、ARA News(6月30日付)によると、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室がアレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区でシリア軍に対して反転攻勢を続け、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市ムーカンブー地区に反体制武装集団が撃ったロケット弾が着弾し、3人が負傷した。

またアレッポ市サウフ・ダウラ地区、ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区でシリア軍、親政権民兵がジハード主義武装集団と交戦する一方、ジハード主義武装集団は、サイフ・ダウラ地区、ナイル通り地区、ティシュリーン地区、アアザミーヤ地区、アクラミーヤ地区、フルカーン地区などを砲撃した。

一方、アレッポ市ハラク地区では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって2人が狙撃され、死亡、また、ARA News(6月30日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃、同地区西部一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

さらに、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ファトフ軍がアレッポ市南部郊外のハルサ村南東部に位置するシュガイディラ村一帯(シリア政府支配地域)に進攻し、シリア軍、イラン人、イラク人民兵らと交戦した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、イドリブ市内のファトフ軍検問所に対して自爆攻撃が行われ、戦闘員2人が死亡した。

またARA News(6月30日付)によると、イドリブ市内ではこのほかに3回の爆発が発生し、1人が死亡した。

死者の中にはジュンド・アクサー機構の幹部の一人でビンニシュ市法務官のアブー・バラー・ジャズラーウィー市も含まれているという。

一方、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、ハルブヌーシュ村にあるイスラーム軍所属ズィー・カール旅団の本部が、ジュンド・アクサー機構メンバーと思われる武装集団の襲撃を受けた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市各所を砲撃する一方、戦闘機(所属明示せず)が同市一帯を空爆した。

シリア軍はまたダーライヤー市を「樽爆弾」、地対地ミサイルなどで攻撃し、同市周辺でジハード主義武装集団と交戦した。

また、ARA News(6月30日付)によると、シリア軍がウーターヤー町、ドゥーマー市を地対地ミサイルなどで攻撃し、民間人16人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、イスラーム軍がダーヒヤト・ハラスター市郊外を砲撃し、警察病院一帯に迫撃砲弾4発が着弾、6人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルナースィジュ村、ハーッラ市をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(6月30日付)によると、シリア軍がダルアー氏ブスラー広場南東部、ダム街道、避難民キャンプ一帯、バジャービジャ地区、マンシヤ地区西方でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月29日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス県郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は737件。

AFP, June 30, 2016、AP, June 30, 2016、ARA News, June 30, 2016、Champress, June 30, 2016、al-Hayat, July 1, 2016、Iraqi News, June 30, 2016、Kull-na Shuraka’, June 30, 2016、al-Mada Press, June 30, 2016、Naharnet, June 30, 2016、NNA, June 30, 2016、Reuters, June 30, 2016、SANA, June 30, 2016、UPI, June 30, 2016などをもとに作成。

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