米国・ロシアが、ダーイシュ、ヌスラ戦線に対する「テロとの戦い」での合同軍事作戦実施に向けてシリア国内での停戦で合意(2016年9月9日)

米国のジョン・ケリー国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はシリア国内でのダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)に対する「テロとの戦い」や、アレッポ市などへの人道支援への対応を協議するため、スイスのジュネーブで直接会談し、停戦にかかる新たな合意を交わしたと発表した。

会談後にスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と三人で共同記者会見を行ったケリー国務長官とラブロフ外務大臣の発表によると、新たな停戦合意は5つの文書からなり、その骨子は以下の通り:

1. テロリストと「穏健な反体制派」を峻別し、シリア政府と「穏健な反体制派」の間で、空爆、支配領域の変更・拡大の試みなどを含むあらゆる戦闘行為を停止させる。
2. ダーイシュ、ヌスラ戦線が活動する地域での「テロとの戦い」は継続される。
3. イスラーム教の犠牲祭(イード・アドハー)初日にあたる9月12日にシリア軍と「穏健な反体制派」の停戦を発効する。
4. 停戦期間は48時間を単位とし、違反がなければ48時間ずつ随時更新される。
5. 7日間にわたり停戦合意が遵守され、人道支援搬入が保障された場合、米国とロシアは合同実施センター(JIC)を開設し、ダーイシュおよびヌスラ戦線への合同軍事作戦を行う。
6. 米国とロシアが合同軍事作戦を行うと定めた地域では、両国軍のみが作戦を実施する。
7. それ以外の地域ではシリア軍も作戦を実施できる。
8. アレッポ市北部のカースティールー街道を非武装化し、アレッポ市内への人道支援の搬入、住民の移動を保障する。
9. アレッポ市南部のラームーサー地区の回廊についても、シリア政府、「穏健なな反体制派」双方が、アレッポ市内への人道支援、商業物資、住民の移動の安全を保障する。

AFP, September 9, 2016、AP, September 9, 2016、ARA News, September 9, 2016、Champress, September 9, 2016、al-Hayat, September 10, 2016、Iraqi News, September 9, 2016、Kull-na Shuraka’, September 9, 2016、al-Mada Press, September 9, 2016、Naharnet, September 9, 2016、NNA, September 9, 2016、Reuters, September 9, 2016、SANA, September 9, 2016、UPI, September 9, 2016などをもとに作成。

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