ロシアのガティロフ外務次官はジュネーブ4会議へのクルド人(PYD)の参加を呼びかける(2017年2月27日)

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、ジュネーブ4会議での交渉に向け、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の仲介のもと、シリア政府と反体制派の各代表団の折衝が継続されているスイス入りした。

スプートニク・ニュース(2月27日付)が伝えたところによると、ガティロフ外務次官は記者団に対して、「我々は反体制派の統一代表団が結成されることを支援している。なぜなら、国連安保理決議第2254号を実施するため、みながついにここに集まったからだ。共通の目標は明白だが…、各代表団には決議の解釈に関して若干の意見の相違が見られると理解している…。我々はそのほかの代表者の参加も呼びかけている。今のところ、クルド人の参加をめぐって、問題が生じているが、我々はクルド人の参加を呼びかけている」と述べた。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はジュネーブに滞在中のバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表らシリア政府代表団と会談し、ジュネーブ4会議の議事進行などについて協議を継続した。

SANA(2月27日付)が伝えた。

一方、シリア政府代表団に近い消息筋は、政府代表団がデミストゥラ氏との協議を中止したと報じたアラビーヤ・チャンネル、ジャズィーラ・チャンネルなど湾岸諸国のメディアに関して、カタールとサウジアラビアの姿勢に囚われたものと批判、事実無根とこれを否定した。

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また『ハヤート』(2月28日付)によると、デミストゥラ氏は午後、最高交渉委員会の代表団と会談した。

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なお、デミストゥラ氏は、シリア政府代表団、最高交渉委員会代表団、カイロ・プラットフォーム、モスクワ・プラットフォームに対して、①移行期統治機関(移行政府)、②憲法、③選挙の3項目からなる議案を回付し、ジュネーブ4会議の議事進行の調整を続けている。

AFP, February 27, 2017、AP, February 27, 2017、ARA News, February 27, 2017、Champress, February 27, 2017、al-Hayat, February 28, 2017、Iraqi News, February 27, 2017、Kull-na Shuraka’, February 27, 2017、al-Mada Press, February 27, 2017、Naharnet, February 27, 2017、NNA, February 27, 2017、Reuters, February 27, 2017、Sputnik News, Feruary 27, 2017、SANA, February 27, 2017、UPI, February 27, 2017などをもとに作成。

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