ダルアー県南西部でダーイシュ(ハーリド・ブン・ワリード軍)が自爆攻撃を敢行し、ロシア・シリア両軍の兵士多数を殺傷したと発表、ロシア側はこれを否定(2018年7月10日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ザイズーン村でシリア軍部隊が爆弾を積んだ車の自爆攻撃を受け、兵士8人が死亡した。

これに関して、ダーイシュに近いアアマーク通信(7月10日付)は、「ダーイシュ・ハウラーン州」名義の犯行声明を配信した。

声明は「ロシアの十字軍部隊と背教者ヌサイリー派軍の50人をダルアー西での殉教作戦で殺傷」と題され、「ハウラーン州におけるカリフ国の兵士1人が…、ダルアー市西部の農村のザイズーン連帯の士官を含むロシアの十字軍部隊と背教者ヌサイリー派軍の集結地に到達…、爆弾を積んだ車を爆発させ、35人以上を殺害、15人を負傷させるとともに、戦車2輌と装備多数を破壊した」と表明している。

なお、ダルアー県では9日、シリア軍がヨルダンとの国境地帯全域を掌握し、ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配地域に到達していた。

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ロシア国防省は声明を出し、「すべてのロシア軍兵士に命の別状はなく、至って健康で、計画通り任務を遂行している」と発表、ダルアー県でロシア軍兵士を殺害下とのダーイシュの犯行声明を否定した。

AFP, July 10, 2018、ANHA, July 10, 2018、AP, July 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2018、al-Hayat, July 11, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 10, 2018、Reuters, July 10, 2018、SANA, July 10, 2018、UPI, July 10, 2018などをもとに作成。

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