シリア政府とYPGはダイル・ザウル県の石油・ガス田および関連施設の処遇をめぐって合意(2018年7月19日)

トルコ国営のアナトリア通信(7月18日付)は、複数の匿名消息筋の情報として、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)が、ダイル・ザウル県の石油・ガス田や関連施設の処遇をめぐって合意に達した、と伝えた。

それによると、シリアの石油鉱物資源省は、YPG主体のシリア民主軍が掌握しているダイル・ザウル県の石油パイプラインのメンテナンスをカナダの企業に委託する契約を結んだ。

契約期間は6ヶ月だという。

また、合意では、シリア民主軍が掌握する石油・ガス田で採掘された石油・ガスをシリア政府支配下の精製施設に供給すること、その見返りとしてシリア民主軍支配地域にシリア政府が電気をはじめとする福祉を提供することも定められているという。

原油については、シリア民主軍支配下のウマル油田、タナク油田から、シリア政府支配下のティーム油田を経由し、ヒムス県の精製所にパイプラインで供給され、ガスは、シリア民主軍支配下のウマル油田、タナク油田、ジャフラ油田から、同じくシリア民主軍支配下のCONOCOガス工場を経由して、シリア政府支配下のティーム油田、そして最終的にはヒムス県のジャンダル火力発電所に供給されるという。

AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。

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