ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の残党らの退去に向けた交渉が行われるも決裂、ロシア軍が激しい爆撃を敢行(2018年7月31日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の残党約100人を、「捕虜とされる人々」(戦闘員の家族のこと)150人とともに、ダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域からダーイシュが活動を続ける砂漠地域に退去させるための交渉が行われたが、決裂したと発表した。

同監視団によると、決裂を受け、ロシア軍戦闘機が、県南西部に残されたハーリド・ブン・ワリード軍の拠点を激しく爆撃、シリア軍による同地の完全解放がもたらされたという。

スワイダー24(7月31日付)によると、残党らの退去の見返りとして、ハーリド・ブン・ワリード軍側は、スワイダー県東部襲撃で拉致連行した女性・子供約30人の釈放を求められていたが、交渉に参加したスワイダー県の代表団は、ハーリド・ブン・ワリード軍が女性・子供の釈放の条件として同県でのシリア軍の攻撃停止と撤退、住民の戦闘への不参加などを求めたことを拒否したという。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、Suwayda 24, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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