トルコ軍とアル=カーイダ主導の反体制派はシリア政府支配下のイドリブ県サラーキブ市などを砲撃(2020年11月19日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから259日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマストゥーマ村のバアス前衛キャンプに駐留するトルコ軍部隊が、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また「決戦」作戦司令室は、カフルルーマー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村、バイルーン村、イフスィム村、バイニーン村、ファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県25件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 19, 2020、ANHA, November 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 19, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 19, 2020、Reuters, November 19, 2020、SANA, November 19, 2020、SOHR, November 19, 2020などをもとに作成。

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