イドリブ県でトルコ軍兵士1人負傷、ロシア軍が爆撃を実施、トルキスタン・イスラーム党がシリア軍砲台を攻撃(2020年12月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にある県北部のラーム・ハムダーン村にあるトルコ軍基地が何者かによる携行式ミサイルの攻撃を受け、基地の護衛にあたっていた国民軍所属のシャーム軍団の戦闘員2人とトルコ軍兵士1人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

この攻撃と前後して、ロシア軍戦闘機複数機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるシャイフ・バフル村に対して爆撃を実施した。

またシリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村を砲撃しtら。

一方、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党がシャフシャブー山にあるカウカバ村のシリア軍の砲台を地対地ミサイルで攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村、カフルヤディーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県12件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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