シリア軍がイドリブ県で「決戦」作戦司令室戦闘員1人を狙撃し射殺(2021年4月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方の村々を砲撃する一方、マアーッラト・ナアサーン村に駐留するシリア軍狙撃手が「決戦」作戦司令室の戦闘員1人を射殺した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もシリア軍兵士を狙撃し、応戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、26日にダルアー市のパレスチナ難民キャンプ出身で看護婦として働くパレスチナ人男性1人が市内に設置されているシリア軍の検問所で逮捕されたのを受けて、キャンプとダルアー市の一部住民が、男性を拘束した部隊の兵士複数人を拘束し、男性の釈放を要求した。

その後、シリア軍部隊は男性を解放すると、住民らは「シリア万歳、バッシャール・アサド退陣」などと連呼し、抗議の意思を示した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県19件、ラタキア県10件、アレッポ県0件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を20件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 27, 2021、ANHA, April 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2021、Reuters, April 27, 2021、SANA, April 27, 2021、SOHR, April 27, 2021などをもとに作成。

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