シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方で国民解放戦線に所属するシャーム軍団の戦闘員を狙撃し殺害(2021年4月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村近郊で国民解放戦線に所属するシャーム軍団の戦闘員を狙撃し、殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカフルナブル市を砲撃した。

シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村などを砲撃した。

このほか、シャーム解放機構の治安部隊が、マアッラトミスリーン市で新興のアル=カーイダ組織のフッラース・ディーン機構のメンバー2人を拘束した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市でイフタール後の礼拝後に一部礼拝者が抗議デモを行い、逮捕者釈放を求めた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県20件、ラタキア県10件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を22件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, April 30, 2021、ANHA, April 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2021、Reuters, April 30, 2021、SANA, April 30, 2021、SOHR, April 30, 2021などをもとに作成。

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