ロシアのラヴロフ外務大臣は、トルコのチャヴシュオール外務大臣と会談し、イドリブ県に「非軍事地帯」を設置することを合意したと発表(2021年6月30日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、トルコのアンタルヤでメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と会談し、シリア、リビア、アフガニスタン、アルメニア・アゼルバイジャンの情勢などへの対応を協議した。

シリア情勢への対応に関して、ラヴロフ外務大臣は会談後、イドリブ県、ハマー県北西部、アレッポ県東部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンに「非軍事地帯」を設置することを合意したことを明らかにした。

ラヴロフ外務大臣はまた、周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援の経由地をイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所とハサカ県のヤアルビーヤ国境通行所の2カ所に拡大したうえで、その期間を2022年7月10日に延長するとしたノルウェーとアイルランドの国連安保理決議案について拒否するとしたうえで、ロシアは国際機関がシリア政府を通じて人道支援を行うことを求めると述べた。

一方、チャヴシュオール大臣も、アスタナ会議での合意を維持しつつ、新たな合意を交わすためにロシアと取り組んでいると述べた。

また、シリアの統合に脅威を及ぼすすべてのテロリストを掃討する必要があるとしたうえで、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)、その民兵である人民防衛隊(YPG)が依然としてシリ国内で勢力を維持していると非難した。

『シャルク・アウサト』(6月30日付)、デイリー・サバフ(6月30日付)などが伝えた。

AFP, June 30, 2021、ANHA, June 30, 2021、Daily Sabah, June 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2021、Reuters, June 30, 2021、SANA, June 30, 2021、al-Sharq al-Awsat, June 30, 2021、SOHR, June 30, 2021などをもとに作成。

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