シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、アレッポ県を砲撃し、女性と子供8人死亡(2021年7月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室を主導する国民解放戦線がシリア政府の支配下にあるカフルナブル市、バスカラー村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーミディーヤ村、ハントゥーティーン村、ダーディーフ村、ハーン・スブル村などM5高速道路沿線各所を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のイフスィム村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃し、イフスィム村では女性4人と子供3人の合わせて7人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるダーラ・イッザ市一帯、カフル・ヌーラーン村、タワーマ村を砲撃し、ダーラ・イッザ市で子供1人が死亡、3人が負傷した。

国民解放戦線に所属するある=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、シリア政府の支配下にある県西部の第46中隊基地一帯を砲撃した。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市のシャフバー・ジャディーダ地区の住宅の屋根に「テロ組織」が撃った迫撃砲弾2発が着弾した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダーイル町で正体不明の武装集団が県の検閲局職員でバアス党員1人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県17件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を9件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 18, 2021、ANHA, July 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 18, 2021、Reuters, July 18, 2021、SANA, July 18, 2021、SOHR, July 18, 2021、July 19, 2021などをもとに作成。

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