レバノンの動き(2014年5月18日)

『ナハール』(5月18日付)は、5月25日に任期終了となるミシェル・スライマーン大統領の後任をめぐって、政界・宗教(キリスト教マロン派)界内で、マロン派政治指導者を含まない4人の大統領候補の名前があがっている、と報じた。

そのなかの最有力人物がジャーン・カフワジー国軍総司令官だが、レバノンの憲法は国軍司令官を含む第1級公務員の大統領就任を認めておらず、カフワジー司令官の大統領選出には、エミール・ラッフード元大統領やスライマーン現大統領就任時と同じく、憲法改正が必要となる。

また、同紙によると、スライマーン大統領と自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官との間で、軍幹部の人事と合わせて綱引きが行われているという。

一方、『アンバー』(5月18日付)同報道は、アウン元司令官が、シャーミル・ルクーズ少将の参謀長就任を条件に、スライマーン大統領の1年間の任期延長に応じる構えを示している、と伝えた。

しかし、大統領の任期延長も、ラッフード元大統領就任時と同様、憲法の改正を必要とする。

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ナハールネット(5月18日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ハウル・タアラー村郊外の無人地帯にロケット弾2発が着弾した。

AFP, May 18, 2014、al-Anba’, May 18, 2014、AP, May 18, 2014、ARA News, May 18, 2014、Champress, May 18, 2014、al-Hayat, May 19, 2014、Kull-na Shuraka’, May 18, 2014、al-Mada Press, May 18, 2014、al-Nahar, May 18, 2014、Naharnet, May 18, 2014、NNA, May 18, 2014、Reuters, May 18, 2014、SANA, May 18, 2014、UPI, May 18, 2014などをもとに作成。

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