トルコの支援を受ける教育機関がシリア北部で配布した教本の挿絵が、イスラーム教や預言者ムハンマドを侮辱しているとして住民の怒りを買う(2021年11月25日)

シリア人権監視団、シリア北部違反センターなどは、トルコの支援を受ける教育関係機関が、トルコの占領地にある「ユーフラテスの盾」地域(アレッポ県バーブ市、カッバースィーン村、ラーイー村など)と「オリーブの枝」地域(アフリーン市など)で小学校1年生用の教材として配布された教本『預言者伝』の挿絵が、イスラーム教や預言者ムハンマドを侮辱しているとして住民らの怒りを買っていると発表した。

教本はシリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣教育省が指定したもの。

「預言者は娘のファーティマを出迎える」と題された章にあるヒジャーブをつけずスカートをはいた女の子を男性が出迎えている様子を描いた挿絵、「預言者の母」の章にある預言者の幼少時代を思わせる挿絵、「預言者とハデージャの結婚」の章にある洋服姿の新郎新婦の挿絵が怒りを買っているという。



教本が配布された地域では、住民がデモを行い、教本を焼くなどして抗議の意思を表した。

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これに関して、ガジアンテップ県は声明を出し、「受け入れられない」と非難、印刷にかかわった関係者に対する取り調べを行っていると発表した。

AFP, November 25, 2021、ANHA, November 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 25, 2021、November 26, 2021、Reuters, November 25, 2021、SANA, November 25, 2021、SOHR, November 25, 2021などをもとに作成。

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