【トルコ・シリア大地震】外務在外居住者省、シリア赤新月社は欧米諸国の制裁が救援活動を阻害していると避難、解除を呼びかける(2023年2月7日)

外務在外居住者省は声明を出し、サマンサ・パワー国際開発庁(USAID)長官、ニューヨークやジュネーブの米国連大使をはじめとする米国高官が、国際世論を偽り、カイザー・シリア市民保護法に代表される米国の経済制裁が、シリアへの緊急人道支援や医療支援を妨げていないとの発言をとっていることを非難、こうした発言が事実ではないと反論した。

パワー国際開発庁(USAID)長官は7日に声明を出し、前日の大規模地震の被害に対応するため災害支援対応チーム(DART)を設置し、トルコ当局や現地のパートナーや関連機関と連携して救援活動を行うと発表していた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣はレバノンのマヤーディーン・チャンネル(2月7日付)のインタビューに応じ、6日の大規模地震に関して、国際法において人道支援は制裁対象から除外されているにもかかわらず、米国の制裁がシリアにおいてはすべてを阻止していると批判した。

ミクダード外務在外居住者大臣はまた、 「シリアは国家として、テロリストの手に渡らないとう条件ものと、すべての地域への支援の提供を許可する準備ができている」と強調した。

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シリア赤新月社のハーリド・ハブーバーティー代表は記者会見を開き、西側諸国の経済制裁と封鎖が、6日の大規模地震の被害に対応するうえでの主な障害となっていると非難、制裁解除と必要な支援物資の提供を呼びかけた。

ハブーバーティー代表は、赤新月社のスタッフ3,000人とボランティア500人が救援活動や瓦礫の撤去作業を続けているが、救急車輌が30~40輌と限られているため、活動を継続するには、重機、消防車輌、救急車輌が必要だと強調した。

また、シリア政府は被災者を収容するためアレッポ県に126ヵ所、ラタキア県に23ヵ所、ハマー県に5ヵ所、ヒムス県に5ヵ所、タルトゥース県に5ヵ所の避難所を開設したことを明らかにした。

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シリア学生国民連合は声明を出し、アラブ地域およびそれ以外の友好国のすべての組合連合組織に対して、欧米諸国によるシリアへの一方的制裁と封鎖を解除するための行動を行うよう呼びかけた。

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SANA(2月7日付)などが伝えた。

AFP, February 7, 2023、ANHA, February 7, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 7, 2023、Qanat al-Mayadin, February 7, 2023、Reuters, February 7, 2023、SANA, February 7, 2023、SOHR, February 7, 2023などをもとに作成。

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