日本の外務省は公式HP(https://www.mofa.go.jp/)を通じて報道発表を行い、トルコ・シリア大地震によるシリアでの被害に対して、合計1,430万ドルの追加的な人道支援を実施することを決定したことを明らかにした。
「シリアにおける地震被害に対する追加的人道支援」と題された報道発表の内容は以下の通り。
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5月16日、日本政府は、2月に発生したトルコ南東部を震源とする地震によるシリアにおける被害に対して、合計約1,430万ドルの追加的な人道支援を実施することを決定したところ、詳細は以下のとおりです。
- 我が国政府は、750万ドルの追加的な緊急無償資金協力により、国連世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、国際移住機関(IOM)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じて、甚大な被害を受けたシリアの被災者に対し、生活必需品、食料、水・衛生、保健・医療等の分野において、人道支援を実施します。
- また、国際連合との連携により、国際連合人間居住計画(UN-Habitat)を通じて、約680万ドル(9億3,000万円)を供与額とする無償資金協力「アレッポ及びラタキアにおける震災後の早期復旧及びレジリエンス構築のための統合的な支援計画(UN連携/UN-Habitat実施)」を実施します。
本事業は、アレッポ県及びラタキア県の被災者の多い地域に対し、被害状況アセスメント、住民参加による震災からの早期復旧計画策定、優先度の高い公共サービスの修復等を実施するもので、国内避難民を含む脆弱層に対して震災からの早期復旧支援を行い、同国の人道状況の改善に寄与するものです。
本件について、16日(現地時間同日)、UN-Habitat本部のあるナイロビにおいて、北川裕久在ケニア共和国臨時代理大使と、エルファン・アリ国際連合人間居住計画事務局長室官房長(Mr. Erfan Ali, Chief of Staff, Office of the Executive Director, UN-Habitat)との間で、交換公文の署名が行われました。 - これらの支援により、2月に決定した約1,850万ドルの人道支援及び国際原子力機関(IAEA)を通じた約10万ドルの医療支援、3月に決定した約610万ドル(6億6,200万円)の無償資金協力「保健医療サービス強化計画(WHO連携)」及び約100万ドルのジャパン・プラットフォーム(JPF)経由の支援と合わせて、シリアにおける地震被害に対し、合計約4,000万ドルの人道支援を実施することとなります。日本政府として、引き続き被災者が必要とする人道支援、被災地域の1日も早い復旧に向けた支援を実施していきます。
(参考1)案件別支援額内訳
(1)緊急無償資金協力:750万ドル
- 国連世界食糧計画(WFP):220万ドル
食料 - 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR):150万ドル
生活必需品 - 赤十字国際委員会(ICRC):100万ドル
保健・医療、保護 - 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC):100万ドル
水・衛生 - 国際移住機関(IOM):100万ドル
生活必需品 - 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA):80万ドル
シェルター、生計支援
(2)無償資金協力(UN連携/UN-Habitat実施):9億3,000万円(約680万ドル)
- 震災被害状況アセスメント、震災からの早期復旧計画策定、公共サービスの修復等
(参考2)シリアにおける地震被害
現地時間2月に発生したトルコ南東部を震源とする地震により、シリアにおいて生じた被害に関する正確な数字の把握は困難であるが、報道等によると、シリア国内の被害は、死者5,900人以上に上っている。
AFP, May 16, 2023、ANHA, May 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2023、Reuters, May 16, 2023、SANA, May 16, 2023、SOHR, May 16, 2023などをもとに作成。
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