ラタキア県では、SANA(6月23日付)によると、同県およびイドリブ県の農村地帯に展開する「テロ組織」が無人航空機(ドローン)でカルダーハ市一帯を爆撃した。
ドローンは2発の爆弾を投下、うち1発はカルダーハ総合病院脇の農地に着弾、エンジニアのムハンマド・ハーニー・スルターナさん(25歳)が死亡、住民1人が負傷、建物1棟が軽い損傷を受けた。
シリア人権監視団によると、ラタキア県とハマー県での反体制武装集団によるドローン攻撃を受け、ロシア軍戦闘機1機がシャーム解放機構の支配下にあるトルコマン山地方のシャフルーラ村一帯を2回にわたって爆撃した。
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ハマー県では、SANA(6月23日付)によると、ラタキア県およびイドリブ県の農村地帯に展開する「テロ組織」が無人航空機(ドローン)でダイル・シャミール村一帯を爆撃した。
ドローンは砲弾多数を放ち、女性1人が負傷、物的被害が生じた( シリア人権監視団によると、この女性は25日に死亡した)。
イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃し、同機構に所属するタルハト・ブン・ウバイドッラー旅団の戦闘員1人が死亡した。
トルコを拠点とする反体制系メディアのシリア・テレビ(6月26日付)が、複数の匿名兵器製造専門家の話として伝えたところによると、SANAが写真を公開したドローンの機種は、中国が所有するオーストリアのダイヤモンド・エアクラフト・インダストリーズ社製の有人航空機ダイヤモンドDA42Tで、2021年からシリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地で運用されている機種だという。
同専門家らによると、航空機は、自爆攻撃を行わずに済むように設計されており、軽量の爆弾複数発を装填し、ラタキア県やハマー県を爆撃したという。
また、イドリブ県の複数の軍事筋の話によると、一部の「ジハード主義」グループは数年前から、ウズベク人をはじめ、さまざまな国籍のドローン製造の専門家を呼び寄せ、ドローン製造の技術を発展させてきたという。
一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ村一帯を砲撃した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ラタキア県とハマー県での反体制武装集団によるドローン攻撃を受け、ロシア軍戦闘機1機がシャーム解放機構の支配下にあるジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯を爆撃した。
また、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村、ダール・カビーラ村を砲撃した。
一方、シャーム解放機構に所属するアブー・バクル・スィッディーク旅団は、県南部のカフルナブル市近郊でシリア軍を狙撃、2人を負傷させた。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が県西部のバスラトゥーン村一帯でシリア軍兵士1人を狙撃し殺害した。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
これに対して、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるタカード村、バフフィース村を砲撃した。
AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023、June 25, 2023、Syria TV, June 26, 2023などをもとに作成。
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