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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールで記者会見を開き、「我々はジュネーブ2会議をただただ拒否しているだけではなく、その成功を保障するようなデータに従い、政権が時間稼ぎをしないようなかたちで受け入れようとしている。我々はジュネーブ2(の成功)を保障するデータすべてを提示した」と述べた。
ジャルバー議長によると、この「データ」とは、①犯罪を犯してきた体制との対話拒否、②サウジアラビア、カタールなどからの(大会への協力の)保障拡充、③イランの参加拒否、だという。
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イスラーム軍報道官のイスラーム・アッルーシュ大尉はクッルナー・シュラカー(10月7日付)に、同軍総合指導委員会のアブー・ハーリス・マッズィー氏が「イスラーム軍とそれ以外のイスラーム主義組織の不和を助長する情報の発信・漏洩の容疑」で調査を受けていることを明らかにした。
総合指導委員会は、政治局、広報局、神経戦局、法務局、布教伝導局からなる機関だという。
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ミーハーイール・サアド氏、ファラフ・マアシューク氏がシリアの反体制活動家約500人が共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のシリア国内での活動を批判、国外への退去を求めた。
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クッルナー・シュラカー(10月7日付)によると、シリア民主人民党書記局メンバーで反体制活動家の重鎮ファーイク・ミール氏が当局に逮捕された。
アサド大統領は、第4次中東戦争「戦勝記念日」(10月6日)に合わせて『ティシュリーン』(10月7日付)のインタビューに応じた(http://www.tishreen.news.sy/tishreen/public/read/299669)。
インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。
「勝利に向けた…最初の一歩は…、我々がテロという問題に対して…一つになることだ…。我々は勝利を実現できる。最初の勝利、そして最大の勝利は、テロリスト、テロ、そしてテロ的思考を根絶するということだ。次に、我々はシリア破壊のために一部の湾岸諸国が策定し、一部の地域諸国が参与している計画を根絶することだ。より重要なこととして、この勝利を信じることだ」。
「ロシアと中国は、米英仏など西側諸国がアラブ諸国の支援のもとに準備した安保決議に3度拒否権を発動した。これらの拒否権が行使されなかったとしたら、そしてロシアと中国の正しい立場がなかったとしたら…、シリア情勢は今よりも数段深刻なものとなっていたことだけは確かだ」。
「シリアが化学兵器を放棄し、化学兵器禁止条約に署名したことに関して、シリアを戦争から守る動きと見ている者は、狭量で単純だ。なぜなら、米国は、数十年にわたる攻撃と破壊の歴史のなかで…(侵略の)根拠を必要としてこなかったからだ。米国はいつでも根拠を作り出せる」。
「(化学兵器廃棄に関するロシアのイニシアチブに同意したことについて)米国の脅迫とは無関係だ。ロシアのイニシアチブは米国側にとって突然のものだったというのが事実だ…。ジョン・ケリーは…シリアがすぐには回答しないと思っていたため、数時間後にシリアが同意したことに意表を突かれた…。この手の重大な問題に数時間で答えを出せる国などない。この問題(化学兵器廃棄)は(シリア国内)であらかじめ準備されていた。米国から提案されたものなどではない。米国の要求への譲歩などでもない。そうした要求はそもそも存在しなかったからだ。シリア、そして地域に対する戦争を回避しようとするイニシアチブが一方の当事者(ロシア)にあったということだ。またより重要なのは、世界の政治的地図がシリアの国益と地域の安定に資するかたちで描かれているということだ」。
「我々に対する真の大量破壊兵器、そして我々がその阻止を検討せねばならない大量破壊兵兵器とは、国に持ち込まれ、国を破壊する急進主義という兵器だ…。この兵器はいかなる兵器よりも危険だ…。もっとも重要なのはテロに我々がどう立ち向かうかであり、これこそが現段階の最優先事項だ」。
「我々はいつもこう言っている。いつでもジュネーブ2会議を行うにふさわしく、シリアは、この問題が提起された当初からいつも準備ができているし、参加すると同意してきた。ボールは米国、そして米国に追随する地域諸国のコートにある」。
「世界のほとんどの国がシリアで何が起きているかを知っており、問題解決にあたってシリアを支持している…。しかし、サウジアラビアは依然として、テロリストを送り込み、彼らに資金・武器を援助している。またトルコも彼らに兵站支援を行い、シリアへの入国などを促している」。
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アサド大統領は、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領の特使アッバース・ザキー氏とダマスカスで会談し、シリア情勢などについて協議した。
SANA(10月7日付)によると、会談でザキー氏は「シリアが曝されている攻撃に立ち向かうため、パレスチナ人民がシリアと連帯」するとの姿勢を示したという。
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『アフバール』(10月7日付)は、ラタキア市の国防隊を指導するスライマーン・ヒラール・アサド氏(アサド大統領のおい)が治安当局に逮捕されたと報じた。
同紙によると、逮捕はラタキア市および同市民に対するスライマーン氏の横暴が理由で、ダマスカスから派遣された特殊治安部隊がスライマーン氏を拘束したのち、連れ去ったという。
また逮捕は、アサド大統領自身の指示によるものだという。
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シリア人権監視団が、タルトゥース県マトラース村で5日に軍に投降した若者多数が処刑されたと発表した。
イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月7日付)によると、「自由シリア軍」がワーディー・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ市の解放を目的とした「地震作戦」を開始、同地一帯での攻撃を激化させた。
これに関して、シリア人権監視団は、ワーディー・ダイフ航空基地周辺、ハーミディーヤ市で、軍と反体制武装集団が激しく交戦し、軍が「樽爆弾」で空爆を行う一方、ウンマ旅団がシリア軍の戦車3輌を破壊し、兵士10人を殺害したと発表した。
また同監視団によると、シャーム自由人旅団、イバードッラフマーン旅団が展開するダイル・シャウキー市、マアッルシャムサ市、カフルルーマー村などを軍が砲撃した。
一方、SANA(10月7日付)によると、バスィーダー村、カフルルーマー村・マアッラト・ヌウマーン市街道、ティーバート村、ビダーマー町、カストゥーン村、カンスフラ村、ムサイビーン村、ナリラヤー村、アルバイーン山周辺、タッフ村、ヒーシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、スユーフ・イスラーム旅団が、インヒル氏でシリア軍のMiG戦闘機を撃墜したと発表した。
一方、SANA(10月7日付)によると、タファス市、ナワー市、ウンム・ヤマーズィン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、フザイファ・ブン・ヤマーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハムーリーヤ市を軍が空爆、20人が死亡した。
一方、SANA(10月7日付)によると、ザマルカー氏、ダイル・サルマーン農場、ダブラ農場、バハーリーヤ市、アッブ農場、ダーライヤー市、ナバク市郊外、ヤブルード市、ルハイバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ウマル・ムフタール旅団、バッラー大隊、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区住民が包囲解除と食糧提供を求めてデモを行い、銃撃を受けた。
一方、SANA(10月7日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またカッバース地区、カッサーア地区、バーブ・シャルキー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、9人が負傷した。
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アレッポ県では、SANA(10月7日付)によると、ハマー・アレッポ街道再開を受け、軍が11の村で、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを掃討、同地の治安を回復した。
治安が回復された11村は、タッル・ザギーブ、トゥールカート、ナイラブ、タッル・アーブール村バラカ、マスィーダ村、ハビーサ、ターター、ブルジュ・ラマーン、アミーリーヤ村、フマイラ。
またクワイリス村、タッラト・シャヒード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
さらにアレッポ市では、スライマーン・ハラビー地区、アルクーブ地区付近、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の進入を撃退した。
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ヒムス県では、SANA(10月7日付)によると、ラスタン湖で、武器弾薬を積んだ反体制武装集団の船舶を軍が撃沈した。
またヒムス市のワアル地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、クスール地区、ガジャル村、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、サアン村、ガースィビーヤ村郊外、ザーら村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、SANA(10月7日付)によると、ドゥワイリカ村、アーラー村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(10月7日付)によると、タッル・サフル、ジャービリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
化学兵器禁止機関の先遣調査隊は、インターネットを通じて声明を出し、シリア国内での化学兵器廃棄に向けた作業に、シリア当局が「協力的に応じている」と評価した。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とジョン・ケリー米国務長官は、APEC首脳会議出席のため訪問中のインドネシアのバリ島で会談し、シリア情勢などについて協議した。
RIAノーヴォスチ通信(10月7日付)によると、会談後、ラブロフ外務大臣は「11月半ばの(ジュネーブ)国際会議開催を呼びかけること」を改めて確認したと述べた。
一方、ケリー国務長官は「シリアで軍事的解決はなく、また両当事者の過激派が得をすることがあってはならないというのが我々の共通の利益だということで改めて意見が一致した…。我々は可能な限り早く、和平プロセスを動かすための努力する」と述べた。
ケリー国務長官はまた「(シリアでの)化学兵器(廃棄)に関して行われていることのペースに関して非常に喜んでいる」と、満足の意を示したうえで、「(化学兵器廃棄に向けた合意を)迅速に遵守したことはアサド政権の手柄(credit)だと思う」と述べた。
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フランスのジャン=イブ・ル・ドリアン国防大臣は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王とジェッダで会談し、シリア革命反体制勢力国民連立を「政治的、人道的、そして軍事的に支援する」と強調した。
会談後の記者会見で、ル・ドリアン国防大臣は「フランスは連立がジュネーブ2の一部になるために活動しており、サウジアラビアもこの点で我々に協力している」と述べた。
AFP, October 7, 2013、al-Akhbar, October 7, 2013、al-Hayat, October 8, 2013、Kull-na Shuraka’, October 7, 2013、Naharnet, October 7, 2013、Reuters, October 7, 2013、Rihab News, October 7, 2013、SANA, October 7, 2013、Tishrin, October 7, 2013、UPI, October 7, 2013などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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