シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会がアサド政権との対話拒否などを骨子とする5項目について合意、国連報道官はOPCW先遣調査隊がシリア国内で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表(2013年10月5日)

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反体制勢力の動き

10月3日から幹部会合を行っていたシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)は声明を出し、両組織がアサド政権退陣を起点としないかたちでの対話拒否などを骨子とする5項目について合意したと発表した。

同声明によると、両組織が合意した5点は以下の通り:

1. シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の連絡・調整活性化を増進する。
2. 相互互恵を基礎とした反体制組織の統合を呼びかける。
3. シリア革命反体制勢力国民連立、自由シリア軍参謀委員会、移行期首班、シリア革命の諸組織を尊重する必要を改めて強調するとともに、移行期政府の早期発足をめざす。
4. 自由シリア軍の枠組みのもとで、革命軍事組織の統合・合併プロセスを加速する。
5. 「シリアのテロ体制」とのいかなる対話も拒否し、アラブ・イスラーム世界が国際社会に先駆けて、アサド大統領の退陣、政権移譲、戦争犯罪人の処罰を保障するまで、対話を受け入れない。

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自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は声明を出し、シリア人以外のすべての外国人戦闘員に対して、ただちにシリアから立ち去るよう呼びかける一方、外国人戦闘員の潜入に関与してきた国に対して、潜入支援を停止するよう求めた。

またシリア・ムスリム同胞団に対して、「革命の盾委員会」、「民間人保護委員会」などの武装部門を解体し、自由シリア軍に統合するよう求めた。

さらに、ミスリー氏は、シャームの民のヌスラ戦線をアサド政権に属する勢力だと断じたうえで、国民に対して、ヌスラ戦線ではなく、自由シリア軍に参加するよう呼びかけるとともに、ヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が掲げる黒旗やアル=カーイダのスローガンを拒否するとの姿勢を明示した。

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ダマスカス郊外県で活動する革命指導評議会は声明を出し、シリア国内のすべての反体制武装集団に対して、イスラーム軍に参加するよう呼びかけた。

『ハヤート』(10月6日付)が報じた。

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クッルナー・シュラカー(10月6日付)によると、イバード・ハッック旅団がシャバーブ・フダー大隊に合流した。

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反体制活動家のワリード・ブンニー弁護士は声明を出し、「6ヶ月前に周知の理由で」参加を凍結していたシリア革命反体制勢力国民連立から正式に脱会すると発表した。

組織体系の充実とバランス確保を目的としていたはずの連立の拡大が望ましい目標に至らなかった、というのが脱会の理由。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会はダマスカスで中央委員会(最高意思決定機関)を開催し、ジュネーブ2会議に代表団を派遣することを最終決定した。

クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、61人のメンバーが出席した中央委員会の冒頭、ハサン・アブドゥルアズィーム代表は、トルコが紛争の解決を妨害するような行動をとっていると批判する一方、イランと米国の接近を歓迎した。

また渉外局長のハイサム・マンナーア氏も滞在先のパリからスカイプで会合に参加した。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、変革解放人民戦線第2回大会で「外国の干渉を阻止することは、政権ではなくシリアを救済することだ」と述べた。

そのうえで、ジャミール副首相は、ジュネーブ2会議に変革解放人民戦線に代表を派遣する意思を示した。

クッルナー・シュラカー(10月5日付)が報じた。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、トルクメン人が多く住むマトラース村を軍が砲撃した。

同監視団によると、砲撃に先立って、軍と村の長老が、指名手配者・離反兵を軍に投降させることで合意し、約20人の若者が出頭したが、村の周辺で軍、国防隊と反体制武装集団が交戦し、兵士20人を含む28人が死亡、多数が負傷したという。

しかしこれに関して、SANA(10月6日付)は、軍がマトラース村住民の支援のもと、村に潜入しようとする反体制武装集団のアジトなどを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷、またこれを受けて反体制武装集団の戦闘員43人が軍に身柄を投降したと報じた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー地区で爆発が起きた。

またバルザ区、タダームン区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サーリヒーヤ殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザマルカー町、ダイル・サルマーン市、カースィミーヤ市、ナバク市、リーマー農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、シャームの民のヌスラ戦線シャリーア委員会本部など、複数の拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市クスール地区、ラスタン市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市近郊の第93旅団基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、SANA(10月6日付)によると、アレッポ中央刑務所、キンディー大学病院、マーイル町、ハンダラート・キャンプ、バービース村、アッザーン村、ズィルバ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市カースティールー地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヌッブル市、ザフラー町に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供3人が死亡、複数の市民が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(10月6日付)によると、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、グータ地区、ラスタン市、カフルナーン村、ジャッブーリーン村、サアン村、ザアフラーナ村、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ガジャル村、ドゥワイル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(10月6日付)によると、カフル・ウワイド村、ビンニシュ市、マラティーン村、ザルズール村、ダルクーシュ町、ハマーマ村、ジャーヌーディーヤ町、アーリヤ村、アイン・ラールーズ村、カストゥーン村、マアッルダブサ村、ブワイティー村、マルイヤーン村、ラーマ村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(10月6日付)によると、ハサカ県タッル・ハジャル地区で爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、女性1人が死亡、10人が負傷した。

レバノンの動き

UNHCRはレバノン国内のシリア人避難民の数が77万9,000人に達したと発表した。

このうち67万8,100人が難民登録を終え、10万1,000人が登録申請中だという。

諸外国の動き

国連のマーティン・ニルスキー報道官は、化学兵器禁止機関(OPCW)の先遣調査隊がシリア国内の某所で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表した。

ニルスキー報道官は、またシリア政府がOPCWに提出した化学兵器関連の文書が、信頼に足るものだとの見方を示す一方、2014年半ばまでの全廃を目標とする廃棄の日程が「シリア人専門家が参加するかたちで設置される技術作業グループの活動次第」だと述べた。

シリア政府は約300トンの神経ガス、サリンガスを45カ所に分散させて保有していると考えられている。

AFP, October 5, 2013、al-Hayat, October 6, 2013、Kull-na Shuraka’, October 5, 2013, October 9, 2013、Naharnet,
October 5, 2013、Reuters, October 5, 2013、Rihab News, October 5, 2013、SANA,
October 5, 2013、UPI, October 5, 2013などをもとに作成。

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