シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)は2023年前半のシリアにおける人道状況にかかる最新の報告書(A/HRC/54/58)を公表した。
報告書は34ページからなる報告書では、一部諸国に対して、一般のシリア人や人道支援に影響を与えている一方的な強制措置を見直すよう改めて求めるとともに、2月6日のトルコ・シリア大地震に際して制裁を緩和したことを建設的な措置だったと高く評価、これが維持されるべきだと表明した。
トルコ・シリア大地震については、シリア政府を含む当事者が人命救助をどのように妨害し、被災地で砲撃を続けたかが明記される一方、イスラエルによるとされる爆撃で交通インフラが機能不全に陥ったことについても指摘した。
ジュネーブでの記者会見で、ピネイロ委員長は、シリアでの暴力と経済危機が深刻かする前に、主要な当事者に民間人への攻撃を停止し、彼らの切実なニーズに対応するよう呼びかけるとともに、シリア政府に対して、シリア人の正統な希求や権利に積極的に応えて、紛争を終わらせるよう求めた。
また、委員の1人のリン・ウェルチマン氏は、トルコ・シリア大地震に際しての紛争当事者による妨害に加えて、国連安保理が越境(クロスボーダー)人道支援の延長に失敗したことは、シリアにおける敵対行為、政治利用、分断がどのように起きているのかを想起させるものだと指摘、当事者と国際社会に対して、越境人道支援の持続可能な方法での継続を保証するよう求めた。
一方、委員の1人ハニー・メガリー氏は、シリアに対する欧米諸国の経済制裁に関して、大多数の国民、とりわけ貧困層に影響を与えているが、同国のエリート層は影響を受けていない、と述べた。
AFP, September 12, 2023、ANHA, September 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2023、‘Inab Baladi, September 12, 2023、Reuters, September 12, 2023、SANA, September 12, 2023、SOHR, September 12, 2023などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…