アスマー大統領夫人が北京外国語大学を訪れ対話集会に出席、諸国民の愛国的文化が抹殺の試みに直面していると警鐘を鳴らす(2023年9月26日)

アスマー・アフラス大統領夫人は北京外国語大学を訪れ、同大学で開催された対話集会に出席、愛国的文化がさまざまな抹殺の試みに直面していると警鐘を鳴らした。

対話集会は、言語や、人道や文化にかかる国家間の関係を題材としたもので、教職員、学生、アラブ諸国など諸外国の大使らが出席するなかで行われた。








アスマー夫人と学生、教師らとの対話では、シリアと中国を、道徳、文化、人道、愛国といったレベルで結びつける共通の概念や原則、そしてこれらのレベルにおいて言語が架け橋の役割を果たしてきたことについて意見が交わされた。

また、シリアと中国を結びつけている関係、文化と芸術が人道に果たす役割、文化遺産とアイデンティティを保護することの責務、政治的課題、両国民をつなぐスポーツなどについても議論は及び、学生らからはシリアをより深く知ろうとする質問が寄せられた。

対話集会のなかで、アスマー夫人は以下の通り述べた。

現在も人が暮らす史上最古の首都ダマスカスから、最古の文明の首都北京へ、世界初のアルファベット発祥の地シリアから、もっとも古く、もっとも多様な言語と方言の一つのくに中国へ。私は今日、あなた方とここにいます。私は感謝と誇りの気持ちでいっぱいです。皆さんが私にして下さったおもてなしに感謝します。また、私の母語で今日皆さんに話すことができること、そして皆さんの素晴らしい理解力を誇りに感じています。
北京にあるもっとも重要で、もっとも古い大学の一つでみなさんの前でアラビア語で話すことは、私たちを歴史的、そして文化的に結び付けてきた確固たる関係を反映しています。その関係は、数千年前にシルクロードのキャラバンが中国とシャームのくにぐにの間を旅して以来のものです。ですから、私たちが今日ここで、アラビア語の教授について深く、そして情熱をもって話す時、私たちは文法や単語の学習ではなく、太古の昔から私たちの二つの文明が共有してきた社会的・文化的多様性の一部をなす言語について話したいと思います。
疑う余地なく、私たちはみな、諸国民の愛国的な文化を抹殺しようとするさまざまな試みに直面しています。それは、さまざまな手段で行われますが、内容は同じです。それは、発展や近代化といったタイトルがつけられていますが、内容は、アイデンティティ、帰属(意識)を溶解させようとするものです。これを達成するための最大の武器が、諸国民の母語に打撃を与え、母語を守ろうとする人を遅れているとみなすことです。
言語を占領するという行為は、意識を占領する最短の方法です。そしてそれは、独自の決定を占領し、コミュニティを破壊し、そのアイデンティティや個性を消し去ります。私たちが今日目の当たりにしているハイブリッド言語という歪んだモデルは、ネオ・リベラリズムの一形態以外の何ものでもありません。セクシャリティを改ざん、ハイブリッド化することで第3のセクシャリティを創造するのと同じように、言語を改ざん、ハイブリッド化し、第3の種を創造しようとするものです。どちらの行為も、道徳的退廃から、人間の法性に反し、健全な家族観から逸脱した概念を押し付けようとするところまで、ネオ・リベラリズムの基礎、本質をなしています。
言語は、刷新や他者とのコミュニケーション、最新の科学や概念への対応なくして生きることはできません。言語とは人間に活力を与えます。人間は社会的な生物で、孤立して一人で成長することはありません。ですから、母語を誇りに思い、国民の文化遺産を守り、復活させようという呼びかけは、他文化から孤立しようとする呼びかけを意味しません。むしろ逆で、それは、一方の手で自らの起源を守り、もう一方の手で他者と知的および文化的にコミュニケーションすることを呼びかけるものです。諸国民に対して門戸を開き、自らと他者を尊敬することが人類の成長と幸福につながります。これが中国が10年前に立ち上げた一帯一路構想の本質なのです。
おそらく、中国が経験したことのなかでもっとも印象的なのは、中国とその国民が驚くべき技術的および科学的発展を達成するなかで、固有の文化・文明的な個性を守り続け、文化遺産を守り、言語とアイデンティティを維持していることでしょう。従属なき発展、溶解なき文明化、国民的尊厳を完全なかたちで伴った経済発展のモデルなのです。
ここに、みなさんの名門大学のアラビア語学科を含む学術・文化機関の役割があります。この演壇に立つ時、中国におけるアラビア語の精神的な父であるアブドゥッラフマン・ナージューン教授に敬意を表さずにはいられません。最古のアラブ科学学院であるダマスカスのアラビア語学院の拡充に向けた、その他の中国の有識者のみなさんの努力にも謝意を示さずにはいられません。そして、もちろんシリアの作家で詩人のサラーマ・ウバイド氏のことも忘れていません。彼は中国の優れた教授の方々や多くのシリアの文化人とともに、最初のアラビア語・中国語辞書を編纂したほか、多くのシリア文化人たちです。
自らの文化と人類の歴史を守り、自らのアイデンティティと言語を誇りとし、服従と従属を拒否する古からの国々は、数千年前から今日にいたるまで植民地主義者によって狙われてきました。私の国シリアもそうで、その存在、自決権を守り、自らの文化遺産を破壊から守り、誇りと信念を持ち続ける人々を守るために戦争を行い、今も戦っています。人々は、破壊されたものを再建し、焼かれたものを植え直し、現在がどれほど困難であっても、明るい未来を切望しています。
この科学的・文化的な場から、何百人もの外交官、大使、政治顧問が輩出されました。私たちは、国際社会において私たちに寄り添い、独立国に対して今も続けられている計略を阻止することに貢献してくれた中国にただただ感謝しています。
私の母語であるアラビア語に対する皆さんの愛情と、それを学ぼうとする情熱、そして今日、私たちがアラビア語でコミュニケーションできることに感謝します。言語は私たちの二つの文明を古くから結び付けてきた道です。この道は今日、発展と近代化を遂げる子供たちの明るい未来に向いています。しかし、原則や道徳において妥協することなく、言語はコミュニティに誇りと尊厳が与えます。疑う余地なく、中国とシリアは大いなる誇りと尊厳を担っています。

また、アスマー夫人は学生からの質問に対して次のように答えた。

中国において変わることがないのは、中国の人々の自国に対する誇りとアイデンティティを守ろうとする姿勢です…。中国にとって最大の特徴とは、急速な成長を遂げながらも、中国自身の原則や文化を棄てていないことです。

学生らはまた、シリアにおける女性や若者の役割、社会の成長が直面する課題、遺跡の破壊するテロの試み、遺跡保存の方法などについての質問を行い、両国の文化・知的交流の強化や、覇権主義、傲慢主義、利己主義を排除して社会を発展させるには、諸外国が力を合わせて主権を維持し、それぞれの原則を尊重し、他者の文化や個性を尊重することの必要を認識した。

アスマー夫人は以下の言葉で自らの発言を締めくくった。

中国で、原則や人道があるべき地位を回復させる新たな世界が幕を開けようとしています。

SANA(9月26日付)が伝えた。

AFP, September 26, 2023、ANHA, September 26, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2023、‘Inab Baladi, September 26, 2023、Reuters, September 26, 2023、SANA, September 26, 2023、SOHR, September 26, 2023などをもとに作成。

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