シャーム解放機構がイドリブ県中北部を中心とする支配地(いわゆる「解放区」)の自治を委託しているシリア救国内閣のアリー・アブドゥッラフマーン・カッダ首班は記者会見を開き、ヒムス県ヒムス市にある軍事大学の卒業式会場を狙った無人航空機(ドローン)による5日昼のテロ攻撃に対するシリア軍とロシア軍の報復攻撃の被害状況について明らかにした。
カッダ首班は会見のなかで、攻撃により、住居、病院、保健センター、市場、学校、大学、モスクなどが標的となり、41人が死亡、175人が負傷したことを明らかにした。
また、すべての学校、大学を休校としたほか、新たに発生した国内避難民(IDPs)986人を避難センターに受け入れたと述べた。
一方、シリア政府との停戦のために国際社会からの連絡はないとしたうえで、各武装諸派があらゆるシナリオに備えて、あらゆる攻撃に対応し得る最善の状態、警戒態勢にあると指摘した。
そのうえで、国際社会に対して、シリア北部で無辜の市民に対して生じている辞退に道義的な責任を追うよう呼びかけた。
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シリア人権監視団は、シリア軍が5日以降、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県イドリブ市の大学病院、国立病院、診察病院、ホワイト・ヘルメット本部、透析病院、シリア救国内閣教育省ビル、サフィーヤ・モスク、サルミーン市にあるホワイト・ヘルメットの女性家族保護センター、保健センター、タルマーニーン村の保健センター、義肢センター、アリーハー市のシャーミー公立病院、ホワイト・ヘルメット本部、サーリム・アサリー・モスク、アレッポ県西部の公立病院などの医療施設や病院を砲撃したと発表した。
シリア軍の砲撃による死者は42人、うち子供が20人、女性が5人で、66人以上が負傷しているという。
AFP, October 9, 2023、ANHA, October 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 9, 2023、‘Inab Baladi, October 9, 2023、Reuters, October 9, 2023、SANA, October 9, 2023、SOHR, October 9, 2023などをもとに作成。
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