国連安保理では、2月3日の米軍によるシリアとイラクへの爆撃への対応を協議するための緊急会合が開催された。
会合はロシアの要請に基づいて招集されたもの。
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会合において、ロシアのワシーリー・ネヴェンジャ国連大使は、国際社会に対して、米英(案頃サクソン)の無謀な振る舞いが国際の平和と安全を脅かし、国際法の支配や国連の中心的役割を損ねるものだと指弾、シリアとイラクの主権侵害を無条件で非難することを呼びかけた。
ネヴェンジャ国連大使は「米国の空爆が紛争をさらに激化させることを目的としていることは明らかだ」としたうえで、「米国は、シリア東部、主にダイル・ザウル県県にあるシリア軍を標的としたが、そこではシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と戦い続けている…。米国は、自らの声明に反して、実際には(ダーイシュを)後援している」、「米政府はイラクとシリアを攻撃することで、大統領選挙を前に国際社会において政権が失敗しているというイメージを払拭しようとしている」などと非難した。
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イランのエミール・サイード・イーロワーニー大使も、米国が地域の安定を揺るがし、シリアの領土の占領を続け、その資源を簒奪し、分離主義者やテロリストを支援しているとしたうえで、米軍によりシリアとイラクの攻撃を違法で正当化しえないと断じ、国際法、国連憲章の原則や国際慣習に違反し、両国の主権と領土保全を侵害していると非難した。
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張軍国連常任代表は、米軍によるシリアとイラクへの攻撃について「中東地域における暴力の報復を煽っている」としたうえで、「中国はこの状況に深刻な懸念を表明しており、国連憲章に違反するあらゆる行動に反対する」と表明した。
その一方で、関係者に対し、冷静さを保ち、自制し、国連憲章と他国の主権を尊重し、違法な軍事作戦を停止するよう求めた。
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これに対して、米国のロバート・ウッド国連代理大使は、「米国は安保理に宛てたこれまでの書簡で、米国の国民、軍、施設に対して将来行われるであろう攻撃、あるいはその脅威に対応して、さらなる行動を取ると繰り返し述べてきた」と反論、攻撃が「必要かつ適切であり、国際法と一致しており、米国の譲り得ない自衛権の枠内で実施された」と主張した。
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SANA(2月5、6日付)、RIAノーヴォスチ通信(12月6日付)などが伝えた。
AFP, February 6, 2024、ANHA, February 6, 2024、‘Inab Baladi, February 6, 2024、Reuters, February 6, 2024、RIA Novosti, February 6, 2024、SANA, February 6, 2024、SOHR, February 6, 2024などをもとに作成。
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