アサド大統領は第33回アラブ連盟首脳会議の準備会合に出席するため、開催国であるバーレーンの首都マナールを空路で訪れた。
空港では、アブドゥッラー・ビン・アフマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ハリーファ国王代理人、アブドゥッラー・ビン・アフマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ハリーファ外務大臣代理、アフマド・ラシード・ヒタービー・アラブ連盟事務副長がアサド大統領を出迎えた。
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第33回アラブ連盟首脳会議では、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ皇太子、バーレーンのハマド・ビン・イーサー・ビン・サルマーン・アール・ハリーファ国王、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王、イラクのアブドゥッラティーフ・ラシード大統領、パレスチナのマフムード・アッバース大統領、リビアのムハンマド・マンフィー大統領評議会議長、ジブチのイスマーイール・ウマル・ジレ大統領、イエメンのラシャード・アリーミー大統領指導評議会議長、モーリタニアのムハンマド・ワラド・シャイフ・ガズワーニー大統領、レバノンのナジーブ・ミーカーティー暫定首相、オマーンのアスアド・ビン・ターリク・アール・サイード副首相、クウェートのアフマド・アブドゥッラー・アフマド首相、アルジェリアのアフマド・アッターフ外務大臣、チュニジアのナビール・アンマール外務大臣、アラブ連盟のアフマド・アブー・ガイト事務総長が演説を行った。
アサド大統領は演説は行わなかった。
演説を行った首脳のうち、イラクのラシード大統領は、来年シリアで予定されていた第34回アラブ連盟首脳会議の議長をシリアに代わって務め、イラクにおいて開催することを明らかにした。
一方、レバノンのミーカーティー首相は、シリア難民の増加がレバノンの経済・社会を困窮ああせていると述べ、シリア難民の帰還を加速するための資金を確保するためのメカニズムを確立する必要を強調した。
採択・発表された閉幕声明では、ガザ地区に対するイスラエルの攻撃の即時停止、占領軍の撤退、制裁・封鎖の撤廃、人道支援搬入のためのすべての通行所の開放、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)など国連機関の役割強化、財政支援などが求められた。
シリアをめぐっては、1967年6月の戦争でイスラエルが占領したゴラン高原、レバノン南部から占領停止、関連する国連安保理決議の履行、シリアの安全、主権、領土統一を維持し、国民の要求を実現し、テロを撲滅するかたちでのシリア危機の解決の必要、シリア難民の尊厳ある安全な帰還の実現、一方的措置(制裁)の解除、シリアとイラクにおけるティグリス川の水の安全保障の確保が求められた。
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アサド大統領は首脳会議終了後、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と個別に会談し、両国・両国民、および地域の安定に資するための二国間関係強化の方途について意見を交わした。
アサド大統領は会談のなかで、アラブ諸国間の協力と連携の仕組みを発展させる必要があると指摘、サウジアラビアの役割を高く評価した。
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続いて、アサド大統領は、バーレーンのハマド国王と会談、アラブ諸国の諸国民の利益に資する諸国間の関係強化の最善の方途、シリアとバーレーンの二国間関係の強化について意見を交わした。
アサド大統領は会談で、首脳会議開催に向けたバーレーンの努力を称賛した。
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アサド大統領は、さらにイラクのラシード大統領と会談し、二国間関係、とりわけ「テロとの戦い」、経済協力、政治レベルでの連携のありようについて意見を交わした。
両首脳は域内の問題に対するアラブ諸国の対話強化の必要を確認した。
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一方、ロシアのヴラジーミル・プーチン大統領は、出席者に宛てて書簡を送り、そのなかで、域内のすべての国の主権と国際法を尊重したかたちで、パレスチナとその他の紛争地の情勢への持続的且つ長期的な問題解決を実現するよう呼びかけた。
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SANA(5月16日付)などが伝えた。
AFP, May 16, 2024、ANHA, May 16, 2024、‘Inab Baladi, May 16, 2024、Reuters, May 16, 2024、SANA, May 16, 2024、SOHR, May 16, 2024などをもとに作成。
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