シャーム解放機構による治安体制強化と弾圧にもかかわらず、イドリブ県とアレッポ県の各所で抗議デモが発生(2024年5月17日)

イドリブ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)、イナブ・バラディー(5月17日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構がイドリブ市中心部に至る街道を封鎖し、住民の出入りを禁止するとともに、市内に戦闘員やメンバー、総合治安機関の要員多数を展開させ、治安体制を強化した。

またイドリブ市郊外各所で、重火器、機銃、装甲車などの配備を強化した。

治安体制の強化は、シャーム解放機構の支配地各所で続く抗議デモに対処するため。

しかし、イドリブ市では、午後の礼拝後に、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の打倒、逮捕者の即時釈放を訴える抗議デモが行われた。

同様の抗議デモはまた、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のハザーヌー町、バーリーシャー村、アウラム・ジャウズ村、ビンニシュ市、ルージュ平原、カフルルーマー村、アルマナーズ市、カフルタハーリーム町、ジスル・シュグール市、アティマ村、バラカート・キャンプなどの国内避難民(IDPs)キャンプ、マアッラトミスリーン市、カフルルースィーン村、ダイル・ハッサーン村、アリーハー市、サルキーン市、アレッポ県のアターリブ市、ダーラト・イッザ市、アビーン・サムアーン町でも発生した。

 




これに対して、シャーム解放機構の総合治安機関は、市内のデモ会場に向かおうとしていたメディア活動家1人に暴行を加えた。

また、イドリブ市に向かってデモ行進を行っていたビンニシュ市の住民の進行をシャーム解放機構の装甲車が進行を阻止し、もみ合いとなった。

さらに、ジスル・シュグール市で治安要員が強制排除を試み、実弾を発砲した。


一方、デモ参加者の一部が、イドリブ市の東に設置されているシャーム解放機構の武装部隊の検問所に対して手りゅう弾での攻撃を試みたが、検問所の要員によって取り押さえられ、逮捕された。

ビンニシュ市では、抗議デモ参加の呼びかけに応じなかったとされる説教師が、金曜日の集団礼拝での説教中に、ミンバル(演壇)から引きずり降ろされ、説教を中断させられた。

抗議デモは日没後も、タフタナーズ市、ビンニシュ市、イドリブ市、カフルタハーリーム町、サルジャ村で行われた。

AFP, May 17, 2024、ANHA, May 17, 2024、‘Inab Baladi, May 17, 2024、Reuters, May 17, 2024、SANA, May 17, 2024、SOHR, May 17, 2024などをもとに作成。

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