イスラエル軍は30日晩、首都ベイルートの南部郊外(ダーヒヤ)の住宅地を標的とした航空攻撃を行った。
27日にイスラエル占領下のゴラン高原のマジュダル・シャムス村のサッカー場にヒズブッラーのロケット弾、あるいはイスラエル軍のアイアン・ドーム防空システムのミサイルが着弾して子供ら12人が死亡したことへの報復。
マナール・チャンネル(7月30日付)によると、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)ハーラト・フライク地区のバフマン病院近くにイスラエル軍無人航空機がミサイル3発を発射、NNA(7月30日付)によると、女性1人が死亡、子供複数を含む68人が負傷した。
また、その後の保健省の発表によると、3人が死亡、74人が負傷した。
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イスラエルのチャンネル12(7月30日付)は、攻撃がヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の軍事顧問で、イスラエルが「ヒズブッラーのナンバー2」と見ているフアード・シュクル氏(ハーッジ・ムフスィン)を狙ったものだと伝えた。
シュクル氏は、1983年の首都ベイルートでの米海兵隊兵舎爆破事件(241人が死亡)において主導的な役割を果たしたとされる人物で、イスラエル軍は、シュクル氏に関する情報提供者に500万米ドルの報酬を支払うと表明していた。
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だが、レバノンの複数の治安筋によると、イスラエルが狙ったとされるフアード・シュクル氏は攻撃が行われる前に標的となった建物を後にしており、無事だった。
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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。
午前10時56分、レバノン南部にあるヒズブッラーのテロ標的約10ヵ所を夜間に攻撃。また、バイト・リーフ村に対する航空攻撃および地上攻撃で、ヒズブッラーのテロリスト1人を殺害、武器貯蔵施設、テロ・インフラ、軍事施設などを攻撃。
午後3時30分、レバノンから上ガリラヤ地方に約10発の飛翔体が飛来、ほとんどを迎撃。1発がハゴシュリム(キブツ)地域に着弾し、民間人1人が負傷。イスラエル軍は飛翔体発射地を攻撃。また、ジブシート村にあるヒズブッラーのテロ・インフラを攻撃。
午後7時6分、レバノンから数時間以上にわたり、上ガリラヤ地方に15発の飛翔体が飛来し、イールオン(キブツ)、イフタ(キブツ)、メトゥラ町地域に墜落。午後3時51分と53分に上ガリラヤ地方で警報が発令され、レバノンからの多数のUAVの飛来が確認され、1機がベイト・ヒレル入植地地域に墜落したことを確認。さきほど、アイター・シャアブ村、カフルカラー村にあるヒズブッラーの監視ポスト、テロ・インフラを攻撃。上ガリラヤ地方に飛翔体を発射した複数ヵ所を砲撃。
午後24時1分、初期報告。イスラエル軍は、マジュダル・シャムス村への攻撃に関与した司令官を標的とする攻撃をベイルートで実施。
午後11時48分、ヒズブッラーの最高位の軍事司令官であるフアード・シュクル(サイイド・ムフスィン)の殲滅に関する声明(https://idfanc.activetrail.biz/ANC3007202451)を発表。
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レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、7月30日の戦果について以下の通り発表した。
(時刻明示せず)レバノン領空を侵犯した複数の敵航空機を防空部隊が迎撃し、撃退。
(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃で、民間人が負傷したことへの報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。
(時刻明示せず)バイト・リーフ村に対する攻撃への報復として、ジャル・アラーム陣地を砲撃。
(時刻明示せず)同じく報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、兵士らを殺傷。
(時刻明示せず)カフルマーン村に対する攻撃への報復として、クファル・ユヴァル入植地に配置されているイスラエル軍部隊を攻撃し、兵士らを殺傷。
(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃への報復として、ベイト・ヒレル入植地の平地大隊司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。
午後5時30分、アヴィヴィム入植地一帯に集結するイスラエル軍部隊を攻撃。
午後6時20分、占領下カフルシューバー村丘陵地帯のラムサー陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。
午後6時20分、占領下シャブアー農場のザブディーン陣地をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。
午後6時35分、バイト・リーフ村に対する攻撃への報復として、バイヤード・ブライダー陣地を攻撃。
(時刻明示せず)ジブシート村に対する攻撃への報復として、カイラア村の防空ミサイル司令部をカチューシャ砲複数発で攻撃。
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レバノン・イスラーム抵抗はまた、戦闘員1人が死亡したと発表した。
AFP, July 30, 2024、ANHA, July 30, 2024、Channel 12, July 30, 2024、‘Inab Baladi, July 30, 2024、NNA, July 30, 2024、Qanat al-Manar, July 30, 2024、Reuters, July 30, 2024、SANA, July 30, 2024、SOHR, July 30, 2024などをもとに作成。
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