ダイル・ザウル県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターの発表、ANHA(8月7日付)、シリア人権監視団、イナブ・バラディー(8月7日付)によると、シリア軍、国防隊、地元武装集団など(「傭兵」、あるいは「イランの民兵」)が、午前2時頃から朝にかけて、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸への潜入を試み、複数ヵ所を攻撃したが、東岸各所に展開するシリア民主軍が応戦し、これを撃退した。
シリア軍、国防隊、総合治安部の要員は、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のマヤーディーン市、ブーカマール市、アシャーラ市方面(具体的には上バクラス村、下バクラス村、クーリーヤ市、スバイハーン市など)から複数の船舶渡河、東岸のズィーバーン町ラトゥーワ地区、シュハイル村、タヤーナ村、ダルナジュ村、アブー・ハルドゥーブ村、アブー・ハマーム市、ガラーニージュ市、ハジーン市、アブリーハ村、ブサイラ市一帯などに対して攻撃を行った。
戦闘は4時間ほど続き、シリア民主軍が事態を収拾、シリア軍は撤退した。
ANHAによると、この戦闘で、ズィーバーン町で民間人2人が死亡、7人が負傷、ハジーン市で子ども2人が負傷した。
また、シリア軍側の兵士ら8人とシリア民主軍の兵士3人が死亡、双方合わせて16人が負傷した。
シリア人権監視団によると、民間人3人、シリア軍側の戦闘員3人、シリア民主軍戦闘員1人が死亡、民間人19人が負傷した。
なお、事態を受けて、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)は、ハサカ県のハサカ市やカーミシュリー市から増援部隊を派遣した。
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親政権の日刊紙『ワタン』(8月7日付)は、アラブ人部族の部隊がシリア民主軍に対する大規模な攻撃を行い、アブー・ハマーム市、ガラーニージュ市、タヤーナ村など複数の町を制圧したと速報で伝えた。
バズ・ニュース(8月7日付)はアカイダート部族の部族長の1人イブラーヒーム・ハフル氏が率いる部族軍がアブー・ハマーム市の浄水施設にあるシリア民主軍の陣地複数ヵ所を制圧したと発表、その映像を公開した。
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部族軍を率いるイブラーヒーム・ハフル氏は音声声明を発表し、「キンディールのテロ民兵」(シリア民主軍のこと)から領土を解放するまで武力に訴えると表明した。
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この攻撃に関して、ANHAは、シリア政府が攻撃実施を正式に許可したことを示す文書を入手したとし、その画像を公開した。
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一方、シリア人権監視団によると、戦闘と前後して、米軍の航空機複数機が飛来し、ズィーバーン村に面するユーフラテス川西岸のハワーイジュ・マフカーン村のガソリンスタンド(地元武装集団が拠点として使用)に対して機銃掃射を行った。
AFP, August 7, 2024、ANHA, August 7, 2024、Baznews, August 7, 2024、‘Inab Baladi, August 7, 2024、Reuters, August 7, 2024、SANA, August 7, 2024、SOHR, August 7, 2024、al-Watan, August 7, 2024などをもとに作成。
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