イドリブ県では、シリア人権監視団、イナブ・バラディー(8月23日付)などによると、米主導の有志連合所属と見られる無人航空機1機がシャーム解放機構の支配下にあるイフスィム町とバーラ村を結ぶ街道を走行中のオートバイ1台を攻撃し、乗っていた男性1人を殺害した。
第80監視団(アブー・アミーン)によると、攻撃は米軍のMQ-9リーパーによって行われ、AGM-114ヘルファイア・ミサイルが使用された。
殺害された男性は、「アブー・アブドゥッラフマーン・マッキー」の名で知られるサウジアラビア人。
シリア人権監視団によると、によると、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあるジュンド・アクサー機構の司令官や、複数のジハード主義組織で法務官を務めたことがある人物で、シャーム解放機構の収容所で長らく拘留されていた。
また、イナブ・バラディー(8月23日付)によると、マッキー氏は、2020年6月にシャーム解放機構によって逮捕されたフッラース・ディーン機構の幹部の1人。
2020年10月15日に、フッラース・ディーン機構の司令官の1人アブー・ムハンマド・スーダーニー氏は、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に対して、フッラース・ディーン機構に対する弾圧を止め、マッキー氏を釈放するよう呼びかけていたが、スーダーニー氏はその1週間後に暗殺された。
また、2021年11月19日には、アラビア半島出身のシャーム解放機構の司令官や戦闘員ら150人がマッキー氏の釈放を歎願するなど、釈放要求が組織内からもあり、2022年4月に釈放されていた。
AFP, August 23, 2024、ANHA, August 23, 2024、‘Inab Baladi, August 23, 2024、Reuters, August 23, 2024、SANA, August 23, 2024、SOHR, August 23, 2024などをもとに作成。
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ヒムス県では、シリア人権監視団…