大使・在外シリア外交使節団長定例会合は最終日の8月29日、アサド大統領、大使・外交使節団、外務在外居住者省職員らによる公開対話を開催した。
アサド大統領はこのなかで、アラブ諸国、周辺地域との関係、そして国際関係におけるシリア外交政策の一貫性、戦略的かつ現実的なビジョンに沿って、国際的な課題や変化に対処すること、そして二国間関係がアラブ諸国との関係強化の核となることを強調した。
対話のなかで、アサド大統領は、一方で原則に基づき、他方で中東地域や国際社会の課題に対峙するかたちで、現下の政治的諸問題へのアプローチを行った。
アサド大統領は、アラブ・イスラエル紛争におけるシリアの確固たる姿勢を示したうえで、アクサーの大洪水作戦を今日の緊張の原因として位置づけようとする米国やその同盟国である西側諸国の試みに対抗し、これを一時的な現地の出来事としてではなく、パレスチナの大義の文脈に沿って見なければならないと指摘した。
アサド大統領はまた、現下のシリアをめぐる複雑な情勢や課題への対応は、歴史を通じて植民地主義の野望の焦点、あるいは戦場となってきたシリアの地理的、歴史的位置と関連付けられねばならないと強調した。
アサド大統領はさらに、米国が作り出した混乱は、世界を不安定化させており、今日の国際的な紛争は、経済・テクノロジーの紛争であると指摘したうえで、西側諸国(西洋)は東洋へのテクノロジーによる支配を失い始めており、それによって、多極的な新たな世界が形成されつつあり、東洋はそのアイデンティティと原則を維持できたことで未来を担っていると述べた。
そして、相次ぐ事態の進展は、今日の紛争を激化、継続させ、世界のすべての国と人々にさらなる危機をもたらすことになると付言した。
対話は、外交活動の制度的な側面にも及び、アサド大統領は、外交プロセスは政府の他のすべてのセクターにおける精度面での発展と切り離すことはできないと述べるとともに、外交活動の基盤、外務在外居住者省と在外代表部のコミュニケーションと連携の仕組みを、あらゆるレベルでの持続的対話を通じて発展させ、外交活動を実施するための枠組みや厳密な基準を確保する必要を強調した。
SANA(8月29日付)が伝えた。
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大使・在外シリア外交使節団長定例会合は8月26日に首都ダマスカスのカフルスーサ区にある外務在外居住者省で開幕し、27日にはファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、ムハンマド・サーミル・ハリール経済対外通商大臣、ガッサーン・ザーミル電力大臣らが講演、28日には「地域、国際における熱き課題」と題されたワークショップ(座長:バッサーム・サッバーグ外務在外居住者副大臣)、「シリアと地域・国際社会における再編」と題されたワークショップ(座長:アイマン・ラアド外務次官)、「一方的制裁措置とその悪影響、対抗策」と題されたワークショップ(座長:イマード・ムスタファー外交研究所長)、などが開催、元大使らを招待した文化の夕べなどが開催されていた。
AFP, August 29, 2024、ANHA, August 29, 2024、‘Inab Baladi, August 29, 2024、Reuters, August 29, 2024、SANA, August 29, 2024、SOHR, August 29, 2024などをもとに作成。
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