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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市からシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動が撤退したのを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が同市に入り、両組織の本部に黒旗を掲揚、同市の一部を制圧した。
シリア人権監視団によると、ダーイシュはダイル・ザウル市の工業地区の一部、ハラービシュ地区全土、ラサーファ地区の一部、労働者住宅地区の一部、ジャウラ地区全土、クスール地区全土、ブガイリーヤ地区全土、ハウィーカ地区の一部、ラシュディーヤ地区の一部、ムワッザフィーン地区の一部を制圧し、ダイル・ザウル市の95%、約3万6,000平方キロメートルを制圧したと発表した。
ダーイシュがシリア国内の県庁所在地を制圧するのはラッカ市に次いで二カ所目。
これを受け、シリア軍はダイル・ザウル市内やダイル・ザウル航空基地など郊外の支配地域の守備を強化し、ダーイシュの攻撃に備えた。
またダイル・ザウル市西部郊外では、ダーイシュへの忠誠拒否と、西武郊外への侵入拒否を訴えるデモが住民によって行われた。
ヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動はダイル・ザウル市の本部からの撤退に先立って、ダーイシュと停戦協議を行っていたが、ダイル・ザウル・シャリーア委員会の判事を務めるヌスラ戦線のアミールが、市内のスィヤーサ橋でダーイシュによって射殺されていた。
ダーイシュがダイル・ザウル市に入るにあたり、撤退を拒否したヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の一部戦闘員と、ダーイシュを支持する武装集団との間で戦闘があったという。
なおこれに関連して、ARA News(7月14日付)は、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、カナーマート地区、ウルフィー地区、ジュバイラ地区、ラシュディーヤ地区、ムワッザフィーン地区、旧空港地区、労働者住宅地区、ヒサーラート地区を占拠していたヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団、そして自由シリア軍を名乗る武装集団が、ダーイシュに対して秘密裏に忠誠を誓い、ダーイシュによるダイル・ザウル市支配に同意した、と報じた。
なおダーイシュのダイル・ザウル市制圧を受け、ダイル・ザウル市労働者住宅地区などで活動するムハンマド大隊が声明を出し、ダーイシュとの戦闘を続けるアサーラ・ワ・タンミヤ戦線と絶縁、ダーイシュとの戦闘を行わないと宣言する一方、「我々がアッラーのお許しのもとに戦い続ける唯一の敵とは、バッシャール・アサドの軍に代表されるヌサイリー体制だ」と表明した。
シリア人権監視団はその後、ダイル・ザウル市からの撤退に先立って、ヌスラ戦線が、ダーイシュを支持するジュンド・アズィーズ旅団司令官(拘束中)を処刑したと発表した。
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同じくダイル・ザウル県では、アフバール・アーン(7月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハトラ村でシャームの民のヌスラ戦線の「ダイル・ザウルのアミール」を名乗るサフワーン・ハント氏(通称アブー・ハーズィム)を拘束、処刑した。
ハント氏はダーイシュ支配地域からダマスカス郊外県カラムーン地方、ないしはダルアー県ハウラーン地方に向かって逃走を図っていたところを拘束されたという。
ハント氏は、ダイル・ザウル市出身で、アル=カーイダとの関係を疑われ逮捕された経験を持ち、2011年の紛争発生後は、アンサール大隊を結成し、反体制武装闘争を指導、その後、ムサンナー大隊を編成し、ヌスラ戦線に忠誠を誓っていた。
また、シリア人権監視団によると、ズィーバーン町の検問所で、ダーイシュ(イスラーム国)が離反士官1人を含む男性2人を拘束、「ダーイシュに犯行し、自由シリア軍参謀委員会と関係がある」との理由で処刑した。
さらに、ブーカマール市では、ダーイシュによるタバコ販売禁止に抗議して、住民がデモを行うとともに、ムサッラブ村、ムハイティーヤ村では武装集団がデモを行い、ダーイシュとの戦闘継続、和解拒否を訴えた。
サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダルーイーヤ軍の約40%を制圧する一方、イラク軍ヘリコプターがシャルカート郡サディーラ村を空爆し、同県のシャリーア法学者を殺害した。
またティクリート市に展開するダーイシュの司令官の一人、ファフド・ティクリーティー氏(アブー・ジャアファル)と副官のアブー・ウマル・トゥーニスィー氏が、同市南部でのイラク軍との戦闘で死亡した。
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ヒッラ県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、軍、民兵からなる合同部隊がジュルフ・サフル地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地方のワーリーを名乗るアブー・ムスアブ・イーサーウィー氏を含む戦闘員60人以上を殺害した。
またジュルフ・サフル地方各所で、治安部隊がダーイシュ戦闘員9人を逮捕した。
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ニナワ県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、イラク軍戦闘機がモスル市内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ司令官のユーヌス・ハミード・マイーリー氏と、ウマル第9軍団司令官のアブー・ムスアブ・リービー氏が死亡した。
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ディヤラ県では、国防相がヤアクーバ市東部のナダー地方でイラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、同地の戦闘員を殲滅したと発表した。
マダー・プレス(7月14日付)が伝えた。
AFP, July 14, 2014、Akhbar al-An , July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、July 16, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。
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