イスラエル軍はヒムス県ジュースィーヤ国境通行所を爆撃し、利用不能に(2024年10月25日)

イスラエル軍は午後1時10分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、以下の通りと発表した。

イスラエル空軍は夜間、イスラエル国防軍諜報部の支持を受け、ベカーア地域北部を通るジュースィーヤ国境通行所(ヒムス県)にあるテロリスト・ヒズブッラーのインフラ施設複数棟を攻撃した。
テロ組織ヒズブッラーは、シリアの体制の管理下にあり、シリア軍字治安機関が運営する民生用のジュースィーヤ国境通行所を利用して、イスラエルの市民やイスラエル国防軍兵士に対し多数のテロ作戦を実行しているテロ組織が使う武器を輸送している。
シリアからレバノンへの武器は、ヒズブッラーのこ戦力構築協力部隊である第4400部隊によって輸送され、イスラエルの市民やレバノン南部で作戦を遂行中のイスラエル国防軍兵士に対して使用されようとしている。
攻撃は、無関係な民間人への被害を最小限に抑えるため、精密誘導兵器を使用して実施された。イスラエル国防軍は、ヒズブッラーによる武器輸送を阻止するための活動を継続し、シリアおよびレバノン当局に対し、ヒズブッラーの両国間での無制限な移動を防ぐよう求めている。
添付は攻撃の映像:https://bit.ly/4flLNYp

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これに関して、マヤーディーン・チャンネル(10月26日付)は、イスラエル軍が未明にダマスカス郊外県のジュダイダト・ヤーブース国境通行所(レバノン側はマスナア国境通行所)とジュースィーヤ国境通行所を爆撃したと伝えた。

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一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機複数機はジュースィーヤ国境通行所の出入国管理旅券局の建物近くにある軍事情報局の拠点1ヵ所を爆撃し、これにより、同情報局の要員3人が死亡、通行所が利用不能となった。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って125回(うち101回が航空攻撃、24回が地上攻撃)となり、これにより204あまりの標的が破壊され、軍関係者264人が死亡、188人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:50人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):75人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:60人
身元不明人:2人

また、民間人も42人(イエメン人医師とその妻、3人の子供を含む)が死亡、53人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:50回
ダルアー県:17回
ヒムス県:32回
クナイトラ県:15回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:4回
スワイダー県:1回
ラタキア県:2回

AFP, October 25, 2024、ANHA, October 25, 2024、‘Inab Baladi, October 25, 2024、Qanat al-Mayadin, October 25, 2024、Reuters, October 25, 2024、SANA, October 25, 2024、SOHR, October 25, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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