北・東シリア地域民主自治局がダイル・ザウル県内の複数の自治体で正式な発表を行わないまま議会選挙を開始(2024年11月18日)

イナブ・バラディー(11月18日付)は、北・東シリア地域民主自治局がダイル・ザウル県内の複数の自治体で、正式な発表を行わないまま議会選挙が開始したと伝えた。


同サイトの記者によると、ダイル・ザウル県内の複数の自治体の議会やコミューンが住民と会合を重ね、民主統一党(PYD)の系譜を汲み、同党が主導する選挙同盟の「諸人民同盟」に参加している政治組織のシリア未来党の候補者や、シリア近代民主主義党、ゼノビア女性連合のを選出するよう説得しているという。

ハジーン市の地元評議会の幹部は、匿名を条件に取材に応じ、北・東シリア地域民主自治局が会合を開催し、同市の議会選挙の立候補者を提示、そのほとんどがシリア未来党のメンバーだったことを明らかにした。

一夫、シリア未来党の幹部筋も、匿名を条件に取材に応じ、選挙は11月10日に行われる予定だったが、一端延期となり、18日に改めて実施されたと明かした。。

同筋によると、選挙には、2回に分けて実施され、1回目は18日にシリア民主軍などの軍関係者が、2回目は20日に民間人が投票を行うという。

アイン・フラート(11月17日付)も、複数の地元筋の話として、北・東シリア地域民主自治局がダイル・ザウル県内の自治体で、11月18日と19日に議会選挙を実施することを決定し、投票を行わないメンバーや職員を処罰すると脅迫していると伝えていた。

北・東シリア地域民主自治局、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と対立関係にあるシュアイタート部族のテレグラムの公式アカウント(https://t.me/alsh3e6at/)とシャルキーヤ特派員を名乗るテレグラムのアカウント(https://t.me/AbomosaabSharkea)は、ラッカ県で同様の選挙が実施されたとしたうえで、19日にダイル・ザウル県の自治体で議会選挙が実施されることを暴露、自治局が回付したと見られる各自治体で配布する投票用紙の数を記したリストの画像を公開した。

イナブ・バラディーの記者らによると、ハサカ県では選挙実施に向けた動きは今のところ見られないという。

AFP, November 18, 2024、ANHA, November 18, 2024、‘Ayn al-Furat, November 18, 2024、‘Inab Baladi, November 18, 2024、Reuters, November 18, 2024、SANA, November 18, 2024、SOHR, November 18, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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