『ガーディアン』紙(10月23日付)は、イスラエルのレバノン攻撃激化を受けて、シリア領内、とりわけシャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部に避難したシリア人を取材した記事を掲載した。
インタビューを行った帰還者の1人で、11人の家族とともに、レバノンから避難し、イドリブ県のサルマダー市にある国内避難民(IDPs)キャンプに身を寄せているアスリーヤ・アワドさん(80歳)は、レバノンからイドリブ県に到着するまえでに10日を要したと証言した。
アワドさんらは2024年からレバノンで避難生活を送ってきた。
アワドさんらは、ヒムス県のジュースィーヤ国境通行所を経由してシリアに入国したが、その際に治安要員が若い男性らを罵倒し、バスから降ろし、逮捕していくのを目撃したという。
アワドさんによると、自分の娘、そして息子の嫁らも一時拘束され、釈放させるために1,000ドルを支払わねばならなかったとしたうえで、シリア政府の支配下にある自分たちの村に戻る途中に、村出身の若い男性が兵士に連行されたのを見て、帰村を断念、反体制派の支配地にあるキャンプに逃れる決断を下したという。
妻と7人の子どもとともにイドリブ県に逃れたというファリード・スライマーンを名乗る男性は、シリアへの帰国を希望していなかったが、レバノン国内で避難する場所を確保できずに帰国したことを明らかにした。
彼らは、イスラエル軍の爆撃で破壊されたマスナア国境通行所で、書類の不備を指摘され殴打され、また入国の手配をしてくれた密輸業者にも手数料の支払いを余儀なくされたという。
さらに、シリア領に入ってからは、スライマーン氏は検問所で一時身柄を拘束され、妻は兵士らに宝石を渡して解放されたという。
スライマーン氏の妻によると、道中、女性3人が兵士にバスから降ろされ、連行されたまま戻ってこなかったという。
AFP, October 23, 2024、ANHA, October 23, 2024、The Guardian, October 23, 2024、‘Inab Baladi, October 23, 2024、Reuters, October 23, 2024、SANA, October 23, 2024、SOHR, October 23, 2024などをもとに作成。
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