シリア民主軍所属のダイル・ザウル軍事評議会がシリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸の「7ヵ村」を攻撃、米軍も各所を爆撃(2024年12月3日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月3日付)特派員によると、シリア軍と予備部隊が、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川東岸のいわゆる「7ヵ村」を攻撃した人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属のダイル・ザウル軍事評議会を迎撃した。

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル軍事評議会は、サーリヒーヤ村、フシャーム町一帯に対する砲撃をもって攻撃を開始、フサイニーヤ町を制圧、それ以外の村にも砲撃を加えているという。

これに対して、「イランの民兵」とレバノンのヒズブッラーの民兵は、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるCONOCOガス田に違法に設置されている米軍(有志連合)の基地、ジュダイド・アカイダート村近郊のマアーミル山を砲撃した。

一連の戦闘で、シリア軍兵士3人とダイル・ザウル軍事評議会のメンバー3人が死亡したほか、女児1人と女性1人が死亡、シリア軍兵士と親政権民兵17人、ダイル・ザウル民政評議会のメンバー12人民間人22人が負傷した。

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その後、「7ヵ村」の一つタービヤト・ジャズィーラ村一帯で、シリア軍とダイル・ザウル軍事評議会の戦闘が再び発生、米主導の有志連合の戦闘機がこれに介入、同地の複数ヵ所を爆撃した。

シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が「7ヵ村」やダイル・ザウル航空基地一帯を爆撃、ダイル・ザウル航空基地で共和国護衛隊第104旅団の兵士6人が死亡した。

有志連合はさらに、ブーカマール市にある「イランの民兵」の拠点複数ヵ所を爆撃した。

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シリア人権監視団によると、2023年10月19日以降、シリア領内にある米軍基地や米軍施設が狙われるのはこれで162回目。

内訳は以下の通り:

ウマル油田の基地:36回
シャッダーディー市の基地:21回
CONOCOガス田の基地:58回
ハッラーブ・ジール村の基地:22回
タンフ国境通行所の基地:19回
タッル・バイダル村の基地:2回
ルーバールヤー村の基地:2回
カスラク村の基地:1回
ワズィール休憩所の基地:1回

AFP, December 3, 2024、ANHA, December 3, 2024、‘Inab Baladi, December 3, 2024、Reuters, December 3, 2024、SANA, December 3, 2024、Sham FM, December 3, 2024、SOHR, December 3, 2024などをもとに作成。

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