イスラエルのカッツ外務大臣はイスラエルへの攻撃を阻止するための非武装地帯をシリア南部に設置する意思があることを明らかに:イスラエル軍はシリア海軍施設・艦艇を攻撃(2024年12月10日)

イスラエルのイスラエル・カッツ外務大臣はハイファーの海軍基地で、イスラエルへの攻撃を阻止するための非武装地帯をシリア南部に設置する意思があることを明らかにした。

カッツ外務大臣は以下の通り述べた。

アサドと同じ道を進む者は誰であってもアサドと同じように終わるだろう。我々はイスラーム過激派のテロ政体が国境を越えてイスラエルに敵対的な行為を行い、市民を危険に晒すことを許さない。
昨晩、シリア軍の艦艇を破壊することに成功した。

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イスラエル軍は午後9時20分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)で、イスラエル軍が過去48時間でのシリアに対する攻撃の戦果を発表した。

発表内容は以下の通り。

海軍作戦:イスラエル海軍のミサイル艦は昨夜(月曜日)、シリア海軍の2つの施設を同時に攻撃した。攻撃対象はバイダー港とラタキア港で、両港にはシリア海軍の艦船15隻が停泊していた。 攻撃対象:射程80~190キロメートルの海対海ミサイル数十基を破壊した。これらのミサイルは大規模な爆薬を搭載しており、周辺の民間および軍事船舶に深刻な脅威をもたらすものであった。 航空作戦:有人機はシリア領空で数百時間の飛行を行い、戦闘機と連携して350回以上の空爆を実施した。 攻撃目標:防空砲台、航空基地、ダマスカス、ホムス、タルトゥース、ラタキア、パルミラにおける多数の兵器製造拠点を含む広範な目標を攻撃した。 無力化された戦力:スカッド・ミサイル、巡航ミサイル、地対艦、地対空、地対地ミサイル、無人航空機(UAV)、戦闘機、攻撃ヘリコプター、レーダー、戦車、格納庫など、数多くの戦略的兵器を無力化した。 地上作戦:北部司令部の火器管制センターが、兵器庫、軍事施設、発射装置、発射拠点、などシリア国内の130の目標に対して爆撃を実施した。

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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、イスラエル軍地上部隊が首都ダマスカスに進軍、あるいは接近しているとの情報について「まったくの事実無根」と否定した。

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イスラエル軍は、アサド政権の崩壊と前後してシリア軍が放棄した各地の基地や施設への爆撃を続けた。

シリア人権監視団によると、爆撃は、アレッポ県の防空工場(サフィーラ市近郊)、ダマスカス県郊外、ダマスカス郊外県クドスィーヤー市一帯、ハマー県サラミーヤ市一帯の武器弾薬庫複数ヵ所、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル航空基地などで、航空機やレーダー施設が破壊された。

12月8日に開始された一連の爆撃の回数は約310回に達した。

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クナイトラ県では、イスラエル軍地上部隊が、クナイトラ市北東の兵力引き離し地域内にある県庁所在地であるバアス市に向かって進軍し、県庁舎に到達した。

AFP, December 10, 2024、ANHA, December 10, 2024、‘Inab Baladi, December 10, 2024、Reuters, December 10, 2024、SANA, December 10, 2024、Sham FM, December 10, 2024、SOHR, December 10, 2024などをもとに作成。

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