国連安保理でシリア代表は制裁解除を求める一方、米国連大使は制裁が人道支援を妨げるものではないと反論、ロシアは国連経由での支援継続を表明(2025年1月8日)

国連安保理では、アサド政権崩壊後のシリアへの対応について議論するための会合が開催された。

UN Newsによると、会合では、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がオンラインで出席し、シリアの移行期について「大いなる機会と真の危機が交錯する瞬間」と表現、安定につながるような慎重な対応を求めた。

また、沿岸地方、ヒムス県、ハマー県で不穏な事態が報告されており、暴力が懸念事項として残されていることを指摘した。

トム・フレッチャー国連緊急援助調整官は、「この瞬間に存在する機会を逃してはならない」として、国のサービスの復旧、難民・避難民の保護、女性のレジリエンスというシリア再建における優先事項についての説明を行った。

一方、クサイ・ダッハーク在国連シリア代表は、旧政権に対する制裁を早急に解除することを求めた。

しかし、ドロシー・シェイ米国連大使は、米国の制裁について、人道支援を妨げるものではないと反論、シリア人主導のシリア人による政治プロセスを支援するとの姿勢を改めて示した。

一方、TASSによると、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連は、シリア国民に対して、人道支援、紛争で破壊された社会インフラの再建、難民・避難民の帰還に向けた基盤整備などの多面的な支援を国連経由で継続する意向を示した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts