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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は『ジュムフーリーヤ』(8月30日付)に「化学兵器の使用は国際法違反で、(欧米諸国が)それを使用したアサド政権に報復する義務がある」としたうえで、「ロシアの拒否権で2年半麻痺している国連安保理でいかなる軍事行動も取り上げる必要はない」と主張し、米国主導によるシリアへの軍事攻撃を是認する立場を示した。
また「もしアサド政権の背骨を折らなければ…、政権は限定的軍事攻撃を利用して…、さらなるシリア人を殺害し、シリア国民に復讐し、国際社会に挑戦するだろう」と主張し、アサド政権打倒のための軍事行動を求めた。
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シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会は共同声明を出し、前者のシリア革命反体制勢力国民連立参加などをめぐるクルド最高会議の機能麻痺への対応などについて協議したと発表した。
声明によると、会合では、連立などの反体制組織などとの関係構築をめぐるいかなる対話も、クルド人民の民族的要求を踏まえたものでなければならないことを確認した。
また、クルド最高会議内の対立解消などをめざすこと、クルド人地域での文民行政(地方自治)を拡充することなども確認、シャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国などの武装集団による攻撃を非難した。
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Infowars.com(8月30日付)は、21日のダマスカス郊外県東西グータ地方での化学兵器使用がアサド政権ではなく反体制武装集団によるものだ、と住民らがAP記者(デイル・ガヴラク氏)に証言したと報じた。
ガヴラク氏によると「複数の医師、グータ地方住民、反体制武装集団の戦闘員、そして彼らの家族とのインタビューから…、多くの人々が、一部の反体制武装集団がサウジアラビアのバンダル・ビン・スルターン総合情報庁長官を介して化学兵器を入し、毒ガス攻撃を行ったと考えている」という。
反体制武装集団の「J」を名のる戦闘員はガヴラク氏に対して、自分たちが化学兵器の取り扱いの訓練をきちんと受けていなかったと述べたという。
「J」はまた、化学兵器が当初、シャームの民のヌスラ戦線に供与されようとしていたと思われるとも証言している。
同様の証言は女性戦闘員「K」も行っており、彼女によると、反体制武装集団は受け取った武器が何なのかも知らされておらず、それが化学兵器だとは想像もしていなかったのだという。
さらにアブドゥルムンイムを名のる戦闘員の父親も、「2週間前に息子が私に、運搬を頼まれた武器が何だと思うと尋ねてきた」としたうえで、息子が武器に関して「筒のような構造」、「巨大なガスのボトル」のようなかたちをしていると説明したことを明かし、武器を供与したサウジアラビア人が「アブー・アーイシャ」を名のっていたと証言した。
アブドゥルムンイムの父によると、これらの武器はトンネル(側溝)で爆発し、戦闘員12人が死亡したという。
シリア外務在外居住者省高官は、シリア政府による化学兵器使用を結論づけたとする米政府の非機密文書に関して、「(文書の内容について発表した)ケリー氏は、1週間前にテロリストが広めた古びた話のなかのねつ造、嘘に依拠している」と酷評した。
SANA(8月30日付)が報じた。
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SANA(8月30日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が国連の潘基文事務総長と電話会談し、化学兵器使用に関する国連調査団の調査活動に関して「シリア軍兵士がサリン・ガスを浴びた現場の調査…が行われないかたちでの部分的な報告書を拒否する」との姿勢を伝えた、と報じた。
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Elaph(8月30日付)は、シリア軍・治安機関の高官らが、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「象徴的」なものに過ぎず、政権が揺らぐことはないと考えている、と報じた。
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市の北部と西部から攻勢をかけ、反体制武装集団と交戦、また同市に向けて地対地ミサイルなどを発射した。
またAFP(8月30日付)は、反体制活動家の話として、ダーライヤー市に対しても軍が攻勢をかけていると報じた。
このほか、バイト・サフム市、ヤルダー市、フジャイラ村、ナブク市郊外、ザマルカー町、アイン・タルマー村、フッザ市なども軍の砲撃を受けたという。
一方、SANA(8月30日付)によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市北部に進軍し、その一部を制圧した。
またハラスター市郊外、ドゥーマー市郊外、ザマーニーヤ市、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市郊外、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの騎士旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区が軍の砲撃を受けた。
一方、SANA(8月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市、サルジャ村などを軍が砲撃・空爆する一方、反体制武装集団はイドリブ市内の人民諸委員会の拠点を攻撃、委員会の民兵複数が死傷した。
このほか、アブー・ズフール航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(8月30日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アリーハー市、アルバイーン山、カフルナジュド市、ハミーダ市、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー市、シュワイハ市、マジャース市で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またイドリブ市に迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が死傷した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カッバスィーン村で民主統一党の党員・支持者と思われるクルド人約30人がイラク・シャーム・イスラーム国によって拘束された。
一方、SANA(8月30日付)によると、ラッカ・アレッポ街道、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、マンスーラ村、アンジャーラ村、バーブ・アレッポ形動、ナスルッラー村、ズィヤーラ村、マーイル町、キンディー大学病院周辺で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、SANA(8月30日付)によると、ダルアー市、タファス市、インヒル市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、SANA(8月30日付)によると、タッル・ハミース市、アブー・カサーイブ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(8月30日付)によると、ヒムス市ハミーディーヤ地区、ワルシャ地区、ラーシディーン地区、ガントゥー市、ダール・カビーラ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またヒムス市ドゥワイル地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が負傷した。
化学兵器使用に関する国連調査団は、ダマスカス県内の軍病院を訪れ、化学兵器の攻撃によって負傷したとされるシリア軍兵士と面談し、サンプルを収集した。
調査団はダマスカス郊外県の東グータ地方での調査は行わなかった。
調査団は4カ所の調査を終え、2週間の予定を切り上げ、ダマスカスを離れ、ベイルートに向かった。
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国連の潘基文事務総長は、安保理常任理事国5カ国の国連大使らと会談し、国連調査団の現地調査について報告した。
国連外交筋によると、調査団の調査結果の発見には約2週間がかかるという。
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ジョン・ケリー米国務長官は、バラク・オバマ米政権がシリアでの化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権によるものだとする非機密文書を公開すると発表した。
この非機密文書は本文4ページ+地図1ページからなり、機密情報を含まない範囲での証拠について説明されており、攻撃に先だって傍受したシリア政府の通信や、攻撃前のダマスカス周辺のシリア軍の動きから、シリア政府軍が化学兵器攻撃を行った「高い確証をもって評価する」と結論づけている。
ケリー国防長官は、報告書公開とともに声明を読み上げ、攻撃前に政権内部の関係者が、ガスマスクを着用して化学兵器対策をとるよう支持を受けた、と述べた。
また「我々は、何時にどこからロケット弾が発射され、何時に着弾したかを知っている。発射地点はすべての政権の支配地域で、着弾地はすべて反体制勢力の支配地域か、戦闘地域だったということも知っている」、「我々は、攻撃について知るシリア政権高官が、政権による化学兵器使用を確認し、被害を調べ、(国連調査団による)発見を恐れていたことを知っている」と強調、22日にシリアの外相に電話で国連調査団受入を要請したにもかかわらず、政権側がその後4日間被害地域を集中攻撃して「証拠を破壊した」と主張した。
そのうえで「これは証拠であり、事実だ…。数千の情報からなる証拠を自分で読んで欲しい」としたうえで、米「これこそが化学兵器の無差別で信じがたい恐怖だ。これこそがアサドが国民にしたことだ」と主張、米政府がシリア政府による化学兵器使用に「強い確信」(high confidence)を持っていると強調した。
そして「国際規範違反を放置し…、行動しないことの対価は何かを問うべきだ…。問題は…我々、そして世界がこのことに対して何をするのか、しないのかということだ」と述べ、化学兵器使用に対して行動することが「米国の信頼と将来の国益に深く関わっている」と付言した。
だが、詳細な理由に関しては、ケリー国防長官は機密情報だとの理由で公表しなかった。
なお報告書の要旨は以下の通り。
1. 人的諜報、無線諜報、地理空間諜報、および公開情報を総合して評価を行った。情報源や情報収集方法を保護するため機密情報に関しては公開せず、本報告書は非機密情報のみを開示する。
2. 報告書が依拠した主な非機密情報は、米国諜報機関の情報、シリア・国際医療機関の証言、ビデオ、目撃証言、ソーシャル・メディアのレポート、ジャーナリストの証言、NGOによる信頼度の高い証言などからなる。
3. 米政府は8月21日にダマスカス郊外県で化学兵器による攻撃をシリア政府が行ったとの「高い確証」(high confidence)をもつ。
4. 初期評価では、子供426人を含む1,429人が死亡した
5. 反体制武装集団が化学兵器を使用した可能性は「きわめて低い」(highly unlikely)。
6. (背景)シリア政府は、サリンガス、VXガスを保有している。
7. (背景)アサド大統領が化学兵器使用に関する最終決定権者である。
8. (攻撃準備)シリアの化学兵器部門関係者が、8月18日から21日にかけてアドラー市の化学兵器合成のために政権が使用してきた地域で活動していた。
9. (攻撃)21日に、サリンガスを含む化学兵器をダマスカス郊外県で使用した。地元のソーシャル・メディアによると、化学兵器による攻撃は午前2時半に開始された。
10. (攻撃)21日の午前中の3時間で、約3,600人の患者が3カ所の病院が受け入れられた。患者の症状などは神経ガスによる被害と一致する。
11. (攻撃)我々は、攻撃の事情に精通した政権高官が、政権による化学兵器使用を認め、国連調査団が証拠を入手することを懸念した通信を傍受した。21日午後に、シリア化学兵器部門関係者が作戦中止の情報を受けたとの情報もある。
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バラク・オバマ米大統領は、シリアへの軍事攻撃に関して、議会および同盟国と協議を続けるとしつつ、攻撃が行われた場合でも、地上部隊を派遣することはないと明言した。
オバマ大統領は「無実の子供数百人を含む数千人が、戦時中でも使用されるべきでないと98~99%の人が言う兵器で殺害されたのに、何も行動を起こさなければ、(行動できないという)シグナルを送ることになってしまう」と述べた。
そのうえで「世界は化学兵器の使用を禁じる規範を維持する義務がある」と強調、「世界の指導者」としての責任を果たすべきだとの決意を示した。
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チャック・ヘーゲル米国務長官は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、訪問先のフィリピンで記者団に対して、「行動をともにする多国間連合を模索し続ける」と述べた。
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米ホワイトハウス、国防総省、国務省は、シリア政府が21日に化学兵器を使用したとする報告書に関して、上下院の外交委員会、軍事委員会に所属する議員10数人に説明した。
説明を受けた議員によると、報告書に示されいない機密情報の内容についても提示されたという。
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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「国際介入でNATOが果たすべき役割はない」と述べ、不参加の意向を示した。
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中国の王毅外交部長はフランスのローラン・ファビウス外務大臣と電話会談を行い、国連調査団による調査が完了する前に、シリアへの軍事行動を認めるような動きを国連安保理で進めるべきでないと述べるとともに、単独行動が危機解決に資さないと警鐘を鳴らした。
また王外交部長は国連の潘基文事務総長とも電話会談し、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団に関して「外国の圧力、干渉を受けない独立した客観的調査を前面支持する」との姿勢を伝えた。
新華社通信(8月30日付)などが伝えた。
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ドイツ外務省報道官は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、ギド・ヴェスターヴェレ外務大臣が『ニュー・オスナブリュッカー・ツァイツング』(8月30日付)に対して述べた「(軍事行動への)参加は求められておらず…、そうしことも考えていない」という言葉をそのまま引用し、軍事介入に参加する意思がないことを明らかにした。
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フランスのフランソワ・オランド大統領は、英下院がシリアへの軍事行動への参加を否決したことに関して、『ル・モンド』(8月30日付)に「それぞれの国に参加の是非を決定する権限がある」としたうえで、「私はオバマ大統領を深く話し合い…、ダマスカスの政権に対する適切且つ断固たる行動を行う…。あらゆる選択肢がテーブルのうえにある」と述べた。
また軍事攻撃の目的に関して、オランド大統領は「シリア解放や独裁者打倒をめざす国際社会の介入は支持しない…。しかし、国民に対して許されざることを行うことを、(アサド)政権は止めねばならないと思う」と主張、「化学兵器による虐殺が罰せられないままであってはならない」と述べた。
シリア政府が化学兵器を使用した証拠に関しては「シリア政府に責任があることを示す一連の証拠がある」と述べたが、詳細については明らかにしなかった。
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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、米仏が準備を続けているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「シリアに対するいかなる国際的な軍事介入も、バッシャール・アサド大統領の支配を終わらせることを目標にしなければならない」と述べた。
またエルドアン首相は「空爆が24時間しか行われないなどというのはあり得ない。重要なのは、シリアの流血を止めること、体制を降伏する程度にまで弱体化させることだ…。シリアへの限定的空爆では不十分で、トルコは満足しないだろう」と付言した。
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『ハヤート』(8月31日付)によると、イラクのキルクークで、シリア紛争を逃れ、イラクで避難生活を送るクルド人労働者が、4ヶ月分の就労に見合う賃金を支払うよう請負会社に訴えるデモを行った。
AFP, August 30, 2013、Elaph.com, August 30, 2013、al-Hayat, August 31, 2013、Infowars.com, August 30, 2013、Kull-na Shuraka’, August
30, 2013, September 1, 2013、al-Jumhuriya, August 30, 2013、Kurdonline, August 30, 2013、Naharnet, August 30, 2013、Reuters,
August 30, 2013、SANA, August 30, 2013、UPI, August 30, 2013などをもとに作成。
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