ザマーン・ワスルは、首都ダマスカスのウマウィーイーン広場で、住民ら数百人が集まり、シリアの新政権に対して、アサド政権時代の逮捕者と強制失踪者の問題を最優先事項として扱い、声明や発表を通じて捜査の進展状況を随時報告するよう求める抗議デモを行った。
住民ら、サイドナーヤー刑務所で要職についていたムハンマド・カンジュー容疑者ら、前政権の士官らの捜査の進展について公式な発表がないことに疑問を呈しているという。
シリア人権ネットワークによると、アサド政権時代の強制失踪者は、2011年3月以降、96103人(うち子ども2327人、女性5739人に達しているという。
このうち、24047人(うち子ども98人、女性39人)について、親族らは、軍事野戦法廷に送致されたとの情報を、拘束施設からの生還者や仲介者を通じて得ているものの、その後の消息を把握できず、失踪後の安否に関する最低限の情報すら得られていないと訴えている。
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シリア人権ネットワークによると、2011年3月から2023年8月までに少なくとも14843人が軍事野戦法廷で死刑判決を受け、7872人(うち子ども114人、女性26人、軍関係者2021人)が実際に処刑されたものの、遺族への遺体の引き渡しは行われいない。
また、禁固刑、あるいは無期・有期の懲役刑を宣告された失踪者のうち、少なくとも6971人が減刑措置を受けているという。
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