シリアでのイスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月7日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イスラーム国(ダーイシュ)がシリア軍との戦闘の末、アイン・イーサー市近郊のシリア軍第93旅団基地を「完全制圧」、同基地に駐留していたシリア軍はタブカ航空基地方面に撤退した。

同監視団によると、ダーイシュ戦闘員3人が、第93旅団基地入り口で自爆攻撃を行い、第17師団基地から敗走していたシリア軍兵士27人を殺害し、最終的にダーイシュが基地を制圧したという。

自爆攻撃を行った3人のうち2人はシリア人(アブー・フザイファ・スーリー氏、アブー・アブドゥー・スーリー氏)、1人はアブー・ハージルを名乗る外国人戦闘員だったという。

なお、この戦闘でシリア軍兵士36人、ダーイシュ戦闘員(ほとんどが外国人)15人が死亡したという。

また親政権の複数の消息筋によると、シリア軍司令部が、約500人が駐留していた第93旅団基地からの撤退を命じ、複数の活動家によると、ダーイシュは基地に残された戦車53輌、大砲18門などを捕獲したという。また複数の活動家によると、シリア軍将兵約150人がダーイシュによって捕捉されたという。

ダーイシュの第93旅団基地により、ラッカ県におけるシリア軍の拠点はタブカ航空基地を残すのみとなった。

 

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハマーム市周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)とシュアイタート部族民兵が交戦し、ダーイシュ戦闘員5人が死亡した。

またスマート・ニュース(8月7日付)によると、救援物資を積んでダマスカス・ダイル・ザウル街道を移動していたシリア赤新月社の車輌3台をシリア軍戦闘機が誤爆し、ボランティア隊員4人が死亡、5人が負傷した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県のこと)広報局がフェイスブックやツイッターを通じて、マヤーディーン市で行った市民20人の公開処刑の画像を公開した。

ARA News, August 7, 2014

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ダマスカス郊外県カラムーン地方で武装闘争を続ける反体制武装集団11組織が、共同声明を出し、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃に伴うレバノン軍と武装集団の戦闘に関する見解を示した。

声明のなかで、武装集団は、ヌスラ戦線などによるアルサール村襲撃を「無責任な行為」と批判した。

またレバノン政府に対しては、シリア人避難民保護への謝意を示しつつ、ヒズブッラーのシリア内政への干渉を許していると批判した。

共同声明を出した武装集団は以下の通り

1. イスラーム戦線イスラーム軍

2. クサイル師団

3. クサイルの鷹アサーラ・ワ・タンミヤ旅団

4. ハムド旅団

5. ラバート中隊ハーリド・ブン・ワリード大隊

6. 「備えよ」旅団

7. トルクメン第1旅団

8. 第1特殊任務連隊

9. ヒムス自由人旅団

10. ファトフの鷹旅団

11. 殉教者バクル・バッカール大隊

Kull-na Shuraka’, August 7, 2014

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また、ダマスカス郊外県で活動するカラムーン地方合同軍事作戦司令室も声明を出し、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃に伴うレバノン軍と武装集団の戦闘に関する見解を示した。

声明で作戦司令室は、アルサール村での戦闘に反対の意思を示す一方、ヒズブッラー戦闘員のシリアからの撤退を求めた。

Kull-na Shuraka’, August 7, 2014

AFP, August 7, 2014、AP, August 7, 2014、ARA News, August 7, 2014、Champress, August 7, 2014、al-Hayat, August 8, 2014、August 11, 2014、Kull-na Shuraka’, August 7, 2014、al-Mada Press, August 7, 2014、Naharnet, August 7, 2014、NNA, August 7, 2014、Reuters, August 7, 2014、SANA, August 7, 2014、SMART News, August 7, 2014、UPI, August 7, 2014などをもとに作成。

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